日本農業の発展と農業経営の安定、農村・地域振興、安心・安全な食料の安定供給の視点にこだわった報道を追求します。

野党共同会派が新・食農基本計画で江藤農相に多様な農業の推進等提言

 立憲民主・国民・社民党など野党の共同会派は24日、農水省を訪ね、食料・農業・農村基本計画改定に係る申し入れをした。宮沢由佳・徳永エリ・近藤和也議員らが江藤拓農相に提言書を手渡した。  基本計画は「農政の方針を定める重要な計画」であるとして、改定にあたり「より適切かつ現場の実情を踏まえたもの」とするよう、「多様な農業を推進していくこと」など概要以下の6項目を求めた。  ①食料自給率についての指標は、これまでの政策との連続性に鑑みカロリーベースを前提とすること、②家族農業や小規模農業を重視し、兼業や法人等、多様な農業について推進していくこと、③現行農政は、規制改革推進会議等の議論を背景に産業...

〈行友弥の食農再論〉努力の途中

 毎日新聞夕刊に連載されている森下裕美さんの4コマ漫画「ウチの場合は」は、かわいい絵柄と辛らつな批評精神のギャップが面白い。3月10日の回では、小学生のユウヤがこうつぶやく。「東日本大震災をきっかけに人間はすごく変わったと思ったんだけど、マスクやトイレットペーパーの買い占めや転売、外国人差別、なーんにもかわりゃしない」  親友で秀才の信一が答える。「人類が誕生したのがだいたい20万年前。人間はまだまだ努力の途中なんだよ。絶望したら進化できないよ」。ユウヤは救われたようにうなずく。  「いいこと言うなあ」と筆者も思ったが、ついペシミストの本性が頭をもたげ「20万年かけて人類は何を学んだのか。...

JA共済連令和2年度事業のポイント|JA共済連代表理事専務村山美彦氏

日本農民新聞 2020年3月25日号

このひと JA共済連 令和2年度事業のポイント JA共済連 代表理事専務 村山美彦 氏  JA共済連は3月19日、臨時総代会を開催し令和2年度事業計画を決定した。令和元年度からの「JA共済3か年事業計画」の中間年度となる2年度の事業展開のポイントをJA共済連の村山美彦代表理事専務に聞いた。 “生命保障回帰”、JA事務負荷軽減すすむ ■3か年事業計画の初年度となったこの1年を振り返って。  今次3か年計画では、重点取組事項として「契約者数の確保に向けた生命保障を中心とする保障提供の強化」、「新たなJAファンづくりに向けた農業・地域に貢献する取組みの強化」、「事業の効率化・契約...

藤木眞也参議院議員・農林水産大臣政務官

日本農民新聞 2020年3月15日号

このひと 農業における災害対応・防疫 参議院議員 農林水産大臣政務官 藤木眞也 氏  東日本大震災から9年、熊本地震から4年目となる。その後も台風や集中豪雨など自然災害に見舞われ、CSF(豚熱)の発生など生産者、農業現場を苦しめる災害が続く。農政をはじめ農協など農業団体では、できる限りの対策を講じ、農業生産基盤の復旧・復興に努めてきたが、これからも発生するであろう自然災害にどのように備えと支援が必要なのか。自らも熊本県の水田・畜産経営農家であり、農協組合長も務めた藤木眞也参議院議員(農林水産大臣政務官)に聞いた。 復旧・復興進むも対処すべき課題も ■まず地元、熊本地震から4年...

JA全農が石川佳純選手出演の新CMを制作

 JA全農は、全農所属の石川佳純選手が出演するテレビCM「大地のエール」篇を新たに制作、10日からホームページで公開した。  CMは「挑み続ける人を日本の食で支えたい」「大地のエールをいただきます」をコンセプトに、石川選手と生産者が互いに励ましあうストーリー。真剣に卓球をプレーする様子や「大地のエールをいただきます」の台詞とともに、オリジナルのどんぶりをおいしそうに食べる様子など、石川選手の多彩な姿や、農作業をする生産者や農産物の映像なども収めている。  テレビでは14日のBSテレ東「卓球ジャパン!」(毎週土曜22時~)を皮切りに、全国各地で放送する。  また、CMのメイキング動画も制作...

全農チキンフーズがアサヒブロイラーの株式取得しグループ会社化

 全農チキンフーズ㈱(山下武彦社長)は10日、㈱明治の100%出資子会社である㈱アサヒブロイラー(東京都江戸川区、藤巻茂社長)の株式を今年4月に取得し(4月27日株式第一取得、2021年4月1日株式第二取得予定)、グループ会社化すると発表した。  株式取得の理由について全農チキンフーズでは「当社は、全農チキンフーズグループの中期事業戦略(CHALLENGE2023)において、『既存事業である農場生産・処理加工・卸売素材販売の拡大』と『消費者接近事業(包装肉・加工品・リテール)への事業領域シフト』を掲げて事業を展開している。今般、当社グループおよび全農グループが行っていない、新たな事業領域であ...

〈蔦谷栄一の異見私見〉二重の危機克服に不可欠な農政転換

 あらたな食料・農業・農村基本計画策定の議論も終盤にさしかかり、今月末には閣議決定される予定だ。農政審議会が議論の主戦場ということにはなるが、これと併行して農業団体、NPO等いくつもの団体から提言が行われてきた。そうした中の一つ、生産者・消費者・流通関係・研究者等が集まっての「持続可能な農業を創る会」に筆者も座長としてかかわって提言を行うと同時に、日本有機農業研究会、日本農業法人協会、日本生活協同組合連合会、家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン等と合同し、各政党の農政担当議員と一堂に会して各提言の説明と意見交換の会を設けたところである。本欄を借りて、なぜ今、各団体がスクラムを組んでまで提言を...

農業用生分解性資材普及会池本克己会長

日本農民新聞 2020年3月5日号

このひと 生分解性マルチと農業のこれから 農業用生分解性資材普及会 会長 池本克己 氏  農業用生分解性資材普及会(=ABA)は、圃場で雑草抑制や地温確保のために使用する生分解性マルチフィルムを中心に生分解性樹脂を利用した資材の開発や利用、普及を推進している。農業の担い手不足や使用済プラスチックの排出量削減が社会的にクローズアップされている今日、生分解性マルチがこれからの日本農業へ果たす役割を池本会長に聞いた。 廃プラ処理費高騰、海洋汚染も ■生分解性マルチを取り巻く環境は?  ABAは、生分解性マルチフィルムを、農業用フィルムマーケットに上市させていただいたのを機に200...

〈行友弥の食農再論〉トリトンの告発

 子どものころ「海のトリトン」というテレビアニメが放映されていた。手塚治虫原作で、イルカに乗った少年トリトンが悪の「ポセイドン一族」と戦うストーリー。だが、作品のモチーフとなったギリシャ神話のトリトンは、海神ポセイドンの息子だという。  科学用語の「トリトン」は三重陽子(陽子1個と中性子2個でできた原子核)のことで、それを持つ水素の放射性同位体がトリチウム(三重水素)。このトリチウムを含む水が福島第1原発の敷地内にたまり続けている。原子炉の汚染水からセシウムやストロンチウムを除去しても、水と同じ性質のトリチウム水は残る。東京電力は22年夏ごろ貯蔵能力の限界に達するとしている。  政府は専門...

日本農民新聞 2020年2月25日号

〈本号の主な内容〉 ■第66回 JA全国青年大会 ■第15回 JAバンク担い手金融リーダー全国大会 ■令和元年度 JA都市農村交流全国協議会 情報・意見交換集会 ■JA全農石油事業の取り組み  JA全農京都「JAヴィレッジ亀岡」を訪ねて  JA-SS最近の動向 ■行友弥の食農再論「トリトンの告発」

〈蔦谷栄一の異見私見〉家族農業継承の深刻なもう一つの実情

 国連による家族農業の10年がスタートして、2年目に入った。日本では行政や研究者の関心はもっぱら法人化にある。家族農業の世界では、近時、第三者継承への注目が高まっているが、家族農業の基本問題は小規模性による低収益構造にあるとされ、規模拡大による所得増大が推進される一方で、所得確保のために直接支払いが不可欠であると同時に、欧米に比較すると政策支援が大きく劣ることが強調されてきた。いずれにしても家族農業を継続していくカギは所得増大にある、との理解が“コモンセンス”化しているといっていい。  所得確保が経営継承の前提になることについて異論はないが、先日、果樹農家のH君からメールがあり、所得増大を中...

全国農協青年組織協議会(JA全青協)第66回JA全国青年大会記念座談会

日本農民新聞 2020年2月15日号

第66回JA全国青年大会 記念座談会 農業・JAの担い手が描く日本農業の姿 ~担い手育成・支援をめぐって~ 全国農業協同組合連合会 常務 久保省三 氏 JA全国女性組織協議会 会長 加藤和奈 氏 全国農協青年組織協議会 会長 今野邦仁 氏  全国農協青年組織協議会(JA全青協)は、第66回JA全国青年大会を、18・19の両日、東京・港区のメルパルクホールで開催する。これを記念して、JA全青協の今野邦仁会長と、JA全国女性協の加藤和奈会長、JA全農の久保省三常務に、これからの日本農業の姿を、担い手の育成・支援の視点から話し合ってもらった。 食と農の課題  今野 僕たちは...

日本農民新聞 2020年2月5日号

〈本号の主な内容〉 ■ゆめファーム全農SAGA  1月24日、佐賀市内で開所式  キュウリ土耕45t/10a・養液50t/10aめざす ■第14回 家の光読書ボランティアスキルアップ講座  基礎編・実践編 ■JA全農のLPガス事業の取り組み  エネルギーコスト削減・課題解決  収量増加・品質向上に向けた取り組み  LPガス保安対策  「JAでんき」の早期全国展開、組合員向け供給戸数拡大に向けて ■第41回 施設園芸総合セミナー・機器資材展  2月4・5日 東京・江戸川区総合文化センターで  日本施設園芸協会が開催

〈行友弥の食農再論〉「21世紀」はいつまで?

 英国の歴史家ホブズボームは「長い19世紀」と「短い20世紀」という時代区分を唱えた。前者はフランス革命の起きた1789年に始まり、後者は第1次世界大戦が勃発した1914年から冷戦終結の91年まで。世界史の潮流を踏まえた説得力のある説だと思う。  90年代前半は日本国内でも大きな変化があった。バブル崩壊で経済が長期低迷に陥り、成長力回復のための規制緩和など新自由主義的改革が加速した。農業でも91年発効の牛肉・オレンジ自由化が市場開放の口火を切り、93年末のウルグアイ・ラウンド(UR)実質合意に至った。これも、根底には自由貿易が経済成長を促すという経済理論がある。  UR農業合意が発効した9...

日本農民新聞 2020年1月25日号

第65回JA全国女性大会 記念号   〈本号のおもな内容〉 ■JA全国女性組織協議会 会長 加藤和奈さんに聞く  JA女性 地域で輝け 50万パワー☆ ■JA全国女性協がJAグループ各事業とコラボ  JA全農と 全国どど~ん!と「どんぶり」スポーツ応援キャンペーン  家の光協会と おむすびキッズコンテスト - ニコ・ニコおむすび大作戦 ■行友弥の食農再論「『21世紀』はいつまで?」 ■JA直売所併設型の料理教室 あぐりきっちん  第1号店がJA掛川市で1月31日オープン ■JA女性組織への期待  全国農協青年組織協議会 今野邦仁 会長 ■『家の光』のJA女性...

ニチバン=収穫後に取り外しやすい誘引結束テープを発売

収穫後に取り外しやすい誘引結束テープを発売=ニチバン

 ニチバン㈱は、誘引結束システム「とめたつ」(*)から、強結束でありながら収穫後の後処理が簡単な「とめたつテープ強結束あとらくタイプ」〔写真、10巻入り/オープン価格〕を、2月3日(メーカー出荷)から全国の農協等で発売する。  同製品は、針を使わずテープの粘着面同士だけ粘着する特性はそのままに、「強結束」と「後処理が楽」を両立した誘引結束テープ。同社によれば、強結束力のため、トマト、きゅうりやぶどうの新梢の誘引結束にも使用できる。太陽光を浴びると徐々にテープの強度が低下するため、収穫後の後処理の際、軽い力で支柱・棚からテープを取り外すことが可能。  *とめたつシリーズは、誘引結束機と専...

JA全農とUHA味覚糖が「完熟かぼす」を使ったグミを発売

JA全農とUHA味覚糖が「完熟かぼす」を使ったグミを発売

 JA全農とUHA味覚糖㈱で共同開発した「コロロ 完熟かぼす」〔写真〕が、28日から全国のファミリーマートで先行発売された。  かぼすは大分県が国内生産量9割を占める名産品。大分県では通常、完熟前の緑色のかぼすを出荷、完熟した黄色のかぼすは概ね県内での消費に留まっていたが、全農とUHA味覚糖との共同開発の中で「完熟かぼすは完熟前のかぼすよりも、まろやかな酸味と濃厚な甘味を持ち、お菓子に向いている」ことが明らかとなり、完熟かぼすの価値を最大限に伝える商品を開発した、と説明している。「コロロ」はグミをコラーゲンの膜(皮)で包んだ新感覚グミ。参考価格149円(税抜)。  全農は「今後もUHA...

農業IT管理ツール「豊作計画」を刷新、提供開始=トヨタ自動車

 トヨタ自動車㈱は、農業IT管理ツール「豊作計画」を刷新し、4月から提供を開始する。  「豊作計画」は、広範囲に分断して存在する水田を集約的に管理し、効率的な農作業を可能とするために2014年に開発したクラウドサービス。現在、全国94の農業経営体に導入されており、作業工程やコストの異常管理を通じて育苗工程での作りすぎのムダ削減等、を提案している。  今回、農業経営体からの要請により、米作だけでなく、露地野菜やハウス栽培等に幅広く適用できるよう、適応品目を野菜・果樹・畜産等にも拡大した。また、受注・人員・生産・出荷・在庫の一連の情報を一元管理する新たな機能を追加。これにより、例えば受注生産で...

人事|㈱クボタ=2月1日付

 ▽兼トラクタ第三事業推進部長、執行役員トラクタ第三事業部長花田晋吾▽機械技術統括本部機械開発管理部長(トラクタ第三事業推進部長)山口正敏▽人事・総務本部人事部(機械開発管理部長)内田賢二

キュウリ・メロン栽培技術の動向:施設と園芸

施設と園芸188号(2020年冬)特集:キュウリ・メロン栽培技術の動向

巻頭言 いま、なぜキュウリか? 千葉大学名誉教授 日本施設園芸協会前会長 篠原温 ■特集■ キュウリ・メロン栽培技術の動向 我が国のキュウリおよびメロン生産・流通の現状と課題 農研機構野菜花き研究部門野菜育種・ゲノム研究領域上級研究員 川頭洋一 キュウリ生産における環境制御の課題とICT利用による生産性向上 JA西三河きゅうり部会改革プロジェクトサブリーダー 下村堅二 キュウリ産地の生産力向上のための環境制御技術への取り組み 宮崎県中部農業改良普及センター 藺牟田真作 キュウリのNFT・散水毛管水耕システムの開発と周年高品質多収生産の栽培 三菱ケミカルアグリドリーム㈱ ...

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