日本農業の振興と農業経営の安定、安心・安全な食料の安定供給の視点にこだわった報道を追求します。

日本農民新聞

農業・農協・アグリビジネスの情報紙『日本農民新聞』

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〈蔦谷栄一の異見私見〉小さいことに価値を置く令和に

 平成から令和へと元号が変わったが、振り返ってみれば平成はTPPやFTAに象徴されるようにグローバル化の進展が顕著であり、これを必然化させたのが利益追求と組織化・システム化・規模拡大であろう。組織化・システム化・規模拡大は市場化・自由化の流れの中で膨張を続け、大きくなることによって利益と競争力を確保すると同時に競合相手を倒したり吸収・統合してきた。こうしているうちに国内でのマーケットは成熟してしまい、一方で生産能力は過剰化して、海外にマーケットを求めるしかなくなったというのがグローバル化の本質と考える。この間、競争に勝ち抜いていくためにコスト低減が至上命題となり、低廉な労働力を求めて生産拠点の...

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日本農民新聞 2019年8月5日号

このひと   野菜園芸経営の将来展望   (有)木之内農園  代表取締役会長 東海大学  経営学部学部長 木之内均 氏  熊本でイチゴを中心に大規模な施設園芸を展開する(有)木之内農園は、熊本地震での壊滅的な被害を乗り越え、新しい農業スタイルの創造を目指している。木之内均会長は、7月に熊本市で開かれた全国野菜園芸技術研究会で、これからの野菜園芸経営の将来展望を要旨次のように語った。 農業者が農業者を育てる仕組づくりを ■自身の経営の概要から。  「(有)木之内農園」は、南阿蘇農場でイチゴ、ミニトマトを中心に9?、大分県境の波野農場...

〈行友弥の食農再論〉『農福連携』が消える日まで

 静岡県浜松市で野菜の施設園芸を営む「京丸園」の鈴木厚志社長は困惑した。規模拡大のため従業員を募集したら、障害のある子とそのお母さんが訪ねてきたからだ。「障害者に農作業は無理」と考えて断ったが、母親は「給料はいらないから働かせて」と頼み込んだ。1週間だけ農作業体験として受け入れたが「給料はいらないから」という言葉が鈴木さんの頭をしばらく離れなかった。  福祉施設に勤める知人に聞くと「もし就職できなければ、その子は福祉施設に行く。それは面倒をみてもらう立場になるということだ」と言われた。鈴木さんは「仕事はお金のためにするもの」と考えていた自分を恥じ、農業を福祉に生かすことを考え始めた。  障...

日本農民新聞 2019年7月25日号

〈本号の主な内容〉 ■JA全農新3か年計画と2019年度事業のポイント 〇畜産総合対策  JA全農 畜産総合対策部 小林茂雄 部長 〇畜産生産事業  JA全農 畜産生産部 齊藤良樹 部長 〇酪農事業  JA全農 酪農部 鈴木富雄 部長 〇営業開発事業  JA全農 営業開発部 山田尊史 部長 〇施設農住事業  JA全農 施設農住部 根倉修 部長 ■行友弥の食農再論「『農福連携』が消える日まで」

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日本農民新聞 2019年7月15日号

このひと   全野研の役割と想い   全国野菜園芸技術研究会 会長 渋谷忠宏 氏    野菜農家がつくる全国野菜園芸技術研究会(全野研)は今年3月の通常総会で新会長に神奈川県のトマト農家の渋谷忠宏氏を選任した。渋谷新会長に、就任の抱負と今後の研究会の活動、また7月16・17の両日、熊本県で開催される第64回「全国野菜園芸技術研究会 熊本大会」への想いを聞いた。 収量以外にも所得増やす方法を検討 ■就任の抱負を。  当会ではこれまで〝儲かる農業〟を目指して、全国の農家の皆さんから増産・増収に関する取り組みを学び、お互いの技術を高...

〈蔦谷栄一の異見私見〉「家族農業の10年」で変えていくために

 「家族農業の10年」がスタートしたが、昨年12月の国連総会で決議された「小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言(小農の権利宣言)」とともに、家族農業と小農についての議論が広がりつつある。  「農家・市民・地域・運動・NGO・研究者などの交流・連携を深める『場』として、2019年1月に設置」された“国連小農宣言・家族農業10年連絡会”によって、参議院議員会館と衆議院第二議員会館で既に2回にわたって院内集会が開催されたのをはじめ、各地でさまざまな動きが展開されているが、正直なところまだ議論は空回りし本格的な始動には至っていないと言わざるを得ない。その主因は、国連で小農権利宣言を採択するに...

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日本農民新聞 2019年7月5日号

このひと   JA女性組織活動のこれから   JA全国女性組織協議会 会長 加藤和奈 氏   女性の意識改革に力 SDGsの視点で活動を再確認  JA全国女性組織協議会は5月16日の通常総会で、新会長に加藤和奈氏(JAあいち女性協議会会長、JAあいち海部女性部部長)を選任した。加藤氏に、就任の抱負と、これからのJA女性組織活動への想いを聞いた。   〝わがJA〟意識を醸成 ■会長就任の抱負を。  まずは各地の女性がJA運営への参画を進めるよう、私たちを含め、女性組織に参加する方々の意識を変える活動を行いたい。 ...

〈行友弥の食農再論〉教訓を語り継ぐ

 今月8日、福島県二本松市の東和地区に「里山文化あぶくま研究所」が設立された。研究所といっても学術研究が目的ではない。里山の生活文化を継承し、福島原発事故で傷付いた農と地域社会の再生を目指す取り組みだ。  設立の会には多彩な顔ぶれが集まった。地元農家や研究者、学生、ジャーナリストら数十人が地域の現状と未来を熱っぽく語り合った。  しかし、真の主役は2年前に63歳で亡くなった新潟大の野中昌法教授だった。野中さんは原発事故後の福島へ通い続け、有機農業の土づくりによる放射能汚染の克服に力を尽くした。その成果は著書「農と言える日本人」に詳しい。  事故直後は被災地を単なる「事例」と見て、一方的な...

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日本農民新聞 2019年6月25日号

このひと 農林水産業みらい基金の運営方向   一般社団法人 農林水産業みらい基金 事業運営委員長 山口廣秀 氏  ※廣はまだれに黄   農林水産業と食とくらしの発展へ チャレンジに“あと一歩の後押し”を    2014年、農林水産業と食と地域のくらしを支える全国各地の取組みの支援を目的に、農林中金が200億円を拠出し「農林水産業みらい基金」(以下=基金)は設立された。この5年の取組みを振り返りつつ、今後の基金の運営方向を、助成対象案件を審査・選定している事業運営委員会の委員長を務める山口廣秀氏に聞いた。 ※廣はまだれに黄 &nbs...

農林中央金庫大竹和彦専務理事「次期JAバンク中期戦略のねらいとポイント」

日本農民新聞 2019年6月15日号

アングル 次期JAバンク中期戦略のねらいとポイント   農林中央金庫 専務理事 大竹和彦 氏   変化を追い風に 新たな価値創造へ挑戦 農林水産業を牽引しさらなる持続的成長を    JAバンク(JA・信連・農林中金)は、本年4月からスタートする「JAバンク中期戦略」(平成28~30年度)を策定した。JAバンクが3か年ごとに策定する総合的戦略である「中期戦略」のねらいとポイントを、農林中金の大竹和彦専務に聞いた。 10年後のJAバンクの目指す姿掲げ ■まず、現JAバンク中期戦略の成果から。  今年度は、現行の中期戦略(25~27年度)の...

〈蔦谷栄一の異見私見〉有機農業停滞の不思議

 今、世界では有機農業が拡大している。ヨーロッパは有機農業の先進地であり、耕地面積に占める有機農業比率はスウェーデン18.8%、イタリア15.4%(2017年。以下同じ)をはじめとして高く、ヨーロッパの中では有機農業比率が低く特異な存在でもあったフランスも、AMAP(フランス版CSA(Community Supported Agriculture=地域で支える農業))の普及・拡大にともなって有機農業比率は急伸しており、6.3%になっている。ヨーロッパでも平地を中心に農薬・化学肥料を使用しての大農機具や高度施設利用型の大規模経営によるさらなる農業の近代化が進行しているのも事実である。これに対して...

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日本農民新聞 2019年6月5日号

このひと わがJAにおける旅行事業の位置づけ   JAぎふ 代表理事組合長 櫻井宏 氏   コミュニケーションツールとして 組合員・地域住民との接点づくりさらに深化を    (株)農協観光は、5月21日、令和元年度「JA観光推進協議会全国会議」を開催し、平成30年度に旅行や各種イベント等を通じて地域コミュニティの活性化に貢献し、優れた事業実績をおさめたJAを表彰した。最優秀賞を受賞した岐阜県JAぎふ・櫻井宏代表理事組合長に、同JAにおける旅行事業の取り組みを聞いた。 「1支店1企画」を徹底 ■優績JA最優秀賞受賞の感想は?  旅行事業...

〈行友弥の食農再論〉虹の彼方へ

 年齢を重ねるうちに知人の訃報に接することが増えてきたが、今回はこたえた。農林年金理事長の松岡公明さんだ。先月28日、登山中の事故で亡くなった。享年62。あまりに若すぎた。  全中で米政策を担当されていたころ、駆け出し農政記者として取材したのが最初の出会いだ。豪放らい落な人柄にひかれたが、理想家肌で一本気なところも魅力だった。通夜で再会した全中の元幹部は「熱皿漢でね。手綱を引くのが難しい部下だった」と懐かしそうに振り返った。さもありなん、と思う。  当時、松岡さんがまとめた全中の「RICE戦略」は、ウルグアイ・ラウンド合意に基づく米市場開放と、それを受けた食糧管理制度廃止(民間流通主体の食...

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日本農民新聞 2019年5月25日号

このひと JA青年組織とJA改革   全国農協青年組織協議会 会長 今野邦仁 氏     組合員としてJA自己改革の先頭に 現場の声の共有・拡散を両輪に    全国農協青年組織協議会(JA全青協)は5月22日開催の第66回通常総会で、新会長に今野邦仁氏(前JA全青協副会長・北海道)を選任した。今野新会長に、就任の抱負や今後のJA全青協、JA青年組織活動への想いを聞いた。 盟友6万人の照明係として ■会長としての抱負を。  盟友6万人にスポットライトを当てるのが私の一番の仕事。ひとりでも多くの声を実現できるよう、盟友の意...

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日本農民新聞 2019年5月16日号

このひと JA共済事業の明日を拓く   JA共済連 経営管理委員会会長 市村幸太郎 氏     次世代・次々世代層への保障を強化 長く・広く・深くお役立ちするJA共済に    JA共済連は5月16日に「平成30年度JA共済優績組合表彰」を開催し、平成30年度の普及推進で優秀な実績をあげたJAを表彰する。これに先立ち、JA共済連の市村幸太郎経営管理委員会会長に、これからのJA共済事業の展開に対する思いを聞いた。   推進総合全国目標8年連続で達成 ■平成30年度優績表彰受賞組合をはじめJA共済事業関係者へメッセージ...

〈蔦谷栄一の異見私見〉協同組合内協同でアクティブ・メンバーシップを後押し

 先の全国JA大会での決議は、「食と農を基軸として地域に根ざした協同組合としての総合力発揮」を目指す姿とし、(1)農業者の所得増大・農業生産の拡大、(2)地域の活性化、(3)持続可能な経営基盤の確立・強化、を重点課題とする。このために組合員のアクティブ・メンバーシップの確立が必要であり、協同組合としての役割発揮が欠かせないとしている。JA批判に対抗してJA改革が進められているが、「協同組合としての役割発揮」ができるか、今、協同組合の真価が問われているということができる。  このアクティブ・メンバーシップの確立のために、「組合員のニーズにあった事業、活動、組合員組織活動等の取組み」の展開を求め...

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日本農民新聞 2019年5月5日号

アングル 第28回JA全国大会決議を受けて   農林水産省 経営局 協同組織課長 日向彰 氏     選ばれ利用される農協に JA大会決議の着実な実践を    JAグループは第28回JA全国大会決議で、「農業者の所得増大」「農業生産の拡大」「地域の活性化」を軸とする創造的自己改革のさらなる実践を誓った。農協改革集中推進期間が終わる5月末を前に、農水省で農協を担当する経営局協同組織課の日向彰課長に、JAグループの自己改革進捗に対する認識と今後の期待を聞いた。 農業構造が一大変化 ■JAグループをめぐる情勢認識を。  日本の農...

〈行友弥の食農再論〉平成とコンビニ

 平成が終わる。元号が替わって世界が一変するわけではないが、来し方行く末を考えるきっかけにはなる。この30年、食と農の世界を大きく変えた要素の一つとして「コンビニエンスストア」に着目したい。  コンビニは平成期に急拡大した。日本フランチャイズチェーン協会によると、店舗数は1988(昭和63)年に1万店を超え、89年(平成元年)には1万6466店になった。昨年末時点は5万5743店と30年間で5倍に増えた。売上高も08年に百貨店を抜き、スーパーに肉薄している。  スーパーも同じ時期、規制緩和やモータリゼーションを背景に郊外への大型店進出が進んだ。中心市街地の商店街は「シャッター通り」になり、...

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日本農民新聞 2019年4月25日号

このひと 全農 新3か年計画のめざすもの   JA全農 代表理事専務 岩城晴哉 氏     国内総産出額10兆円台復活へ 次代の担い手に夢と希望をメッセージ    JA全農は、3月26日の臨時総代会で、平成31~33年度の3か年事業計画と31年度の事業計画を決定した。新たな3か年計画は「全力結集で挑戦し、未来を創る」をキャッチコピーに、自己改革の取組み加速化を掲げている。その基本的な考え方と重点施策などを、全農・岩城晴哉代表理事専務に聞いた。   自己改革を加速化 ■まず、平成30年度事業を振り返って。  平成...

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日本農民新聞 2019年4月15日号

〈本号の主な内容〉 ■JAグループのGAPへの取り組み  2018年度GAPシンポジウムから  JAたじま、JA北九の取り組み ■農業倉庫保管管理強化月間(4月15日~6月30日)  JA全農、農業倉庫基金

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