アングル JA全農 令和5年度計画がめざすもの JA全農 代表理事専務 安田忠孝 氏 JA全農は3月末の臨時総代会で、令和5年度の事業計画を決定した。令和4~6年度の中期計画を踏まえ、その中間年度に当たる今期事業計画のポイントを全農の安田忠孝専務に聞いた。 想定外のリスク乗り越え一定の成果 ■中期計画初年度の1年を振り返って。 今期中期計画は、2030年の全農グループのめざす姿からはじめて、グループとしての方向性を示したことに最大の特長があると思っています。 中期計画策定の時点で、今後の事業に大きく影... 2023年4月25日
アングル JA全厚連 令和5年度事業のポイント 全国厚生農業協同組合連合会 代表理事理事長 中村純誠 氏 JA全厚連は3月の臨時総会で、令和5年度の事業計画を決定した。これまでの新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた、これからのJA厚生事業のあり方と取組み方向を、JA全厚連の中村純誠代表理事理事長に聞いた。 厚生連の存在価値を高めた3年間 ■まず、この間の新型コロナへの対応から。 令和2年1月10日に、JA神奈川県厚生連相模原協同病院で中国・武漢市から帰国した新型コロナ感染者を受入れたのが全国の新型コ... 2023年4月15日
食料・農業・農村基本法の見直し(以下「基本法」)の動きが急だ。食料安全保障とあわせてみどりの食料システム戦略(以下「みどり戦略」)への対応も大きな焦点となっているが、あらためてみどりの食料システム法(以下「みどり法」)を確認してみて、基本法との本質的な差異が存在することに暗澹たる思いを強くしている。 みどり戦略では、ご承知のように2050年までに目指す姿として有機農業の取組面積割合を25%(100万ha)に拡大すること等が掲げられている。「生産力向上と持続性の両立」によりこれを実現するとしているが、取組みは30年代に本格化し、40年代に急伸するカーブを想定しており、イノベーションに大きく... 2023年4月5日
このひと 雑穀の現状と重要性 ~国際雑穀年にあたって~ (一社)日本雑穀協会 会長 倉内 伸幸 氏 本年2023年は国連が定めた「国際雑穀年」にあたる。ここでは、その意義と世界と日本の雑穀の現状、重要性等について、日本雑穀協会の倉内伸幸会長(日本大学教授)に聞いた。 三大穀物依存の食生活から改善 ■「国際雑穀年」の意義と背景から。 インドが提唱し国連が2023年を国際雑穀年と宣言したことに始まる。世界の食料安全保障と飢餓をなくすことを目的として、栄養・農業・気候の課題に対応するための雑穀の役割を認識してもら... 2023年4月5日
アングル JA共済のこれからと 令和5年度事業計画 JA共済連 代表理事専務 村山美彦 氏 JA共済連(青江伯夫経営管理委員会会長、柳井二三夫代表理事理事長)は3月16日、臨時総代会(書面)を開き、令和5年度事業計画を決定した。JA共済をめぐる事業環境・課題と今後の方向性、計画のポイントについて、村山美彦代表理事専務に聞いた。 デジタルで共済未加入者との接点づくりを ■JA共済事業を取り巻く環境と課題から。 新型コロナウイルスが感染拡大を繰り返すなか、70年にわたり運営してきたJA共済事業も大きな転換期を... 2023年3月30日
消費者庁が10日、風評被害に関する今年1月時点の調査結果を公表した。福島第1原発事故を受けて10年前から行っている調査で、大都市圏と被災地の消費者約5000人が対象だ。今回「放射性物質を理由に購入をためらう」食品の産地として「福島」と答えた人の割合は5.8%で、調査開始以来最低になった。 喜ばしいが、気になる傾向もある。食品の検査体制を「知らない」とする消費者が増えていることだ。第1回(13年2月)は22.4%だったが、今回は63%。福島県では現在もすべての県産品で放射性物質の検査が行われているが、それを知らぬまま食べている人が多いことになる。 実は、福島県産品の購入をためらう人が最... 2023年3月25日
このひと いま、なぜ輸出なのか ~農林水産物・食品の輸出促進の意義~ 農林水産省 輸出・国際局長 水野政義 氏 激変する国際情勢から食料安全保障の強化が重要な課題となっているなか、政府は、農林水産物・食品の輸出に力を入れている。改めて輸出促進の意義を、農林水産省の水野政義輸出・国際局長に聞いた。 農業者の所得向上のためにも ■なぜ、農林水産物・食品の輸出なのか? 人口減少等で国内市場が縮小していく一方で、アジアほか世界の食市場は大きく拡大しており、この世界の需要を取り込んで輸出を拡大してい... 2023年3月25日
〈本号の主な内容〉 ■第64回全国家の光大会 京都で3年ぶり実開催=家の光協会 ■春夏野菜の病害虫防除 虫害篇 農研機構 植物防疫研究部門 作物病害虫防除研究領域 生物的病害虫防除グループ長補佐 櫻井民人 氏 ■春夏野菜の病害虫防除 病害篇 農研機構 植物防疫研究部門 作物病害虫防除研究領域 生物的病害虫防除グループ長 窪田昌春 氏 ■令和4年度 JA営農指導実践全国大会 JA全中が開催 ■JA全農グループ事業をサポートする わが社の成長戦略 ㈱全農ビジネスサポート 代表取締役社長 久保田治己 氏 ■JA共済システムを支える わが社の... 2023年3月15日
JAは地域に深く根差した存在であり、地域と一体となっての活動展開を本来とする。しかしながらそれが当然とはいえ、これにともない困難を避けられないことも多く、言うべくして容易ではない。その中にはJAに置かれた部会の扱いが含まれるケースもある。部会はJAと一体的に活動していくことが求められるものの、就業規定や給与規定等のJAの運営ルールで一体化が難しく、また税務問題も絡んで部会の運営継続そのものが困難となるケースも少なくない。こうした中で、〝協同組合内協同〟とでも言うべく事業協同組合として独立させながら、部会活動を実質継続させ、そのうえでJAと連携・一体化させての取組みによって活路を見出そうとのト... 2023年3月5日
〈本号の主な内容〉 ■JA広報大賞表彰式 JA全中が開催 大賞のJAあいち中央等を表彰 ■令和5年産米をめぐる JA全農の対応 JA全農 米穀部 金森正幸 部長 ■JA共済 組合員・利用者の利便性向上、JAの事務負荷軽減に向けて 「Webマイページ」「JA共済アプリ」 キャッシュレス対応、ペーパーレス対応 ■家の光協会が実施・展開する 読書関連の取組み ■野菜栽培における土壌伝染性病害の防除対策 農業・食品産業技術総合研究機構 植物防疫研究部門 作物病害虫防除研究領域 農学博士 越智 直 氏 ■蔦谷栄一の異見私見「地域特産品『信州人蔘』を協同組合で守... 2023年3月5日
畑に近づくと、さわやかな香りが鼻をうった。昨年10月、福島県飯舘村でエゴマの収穫作業を手伝った時のことだ。 エゴマはシソ科の植物で、その葉は青ジソと見分けが難しい。似たような芳香も放つ。健康に良い不飽和脂肪酸が豊富に含まれ、福島では「食べれば10年長生きできる」という意味で「じゅうねん」と呼ばれることは、以前も当欄で書いただろうか。 集まったのは同村南部の大久保・外内(よそうち)行政区の住民でつくる一般社団法人「いいたて結い農園」のメンバーと、その知人ら計20人程度。筆者も代表理事の長正増夫さんと数年前に知り合った縁で、いわき市に住む元同僚を誘い前年に続き参加した。 機械(除草用... 2023年2月25日
〈本号の主な内容〉 ■第69回JA全国青年大会開く Web併用し3年ぶりの実開催 ■JA経営ビジョンセミナー・第4セッション JA全中が開催 「蔵の町、喜多方」で創業233年の大和川酒造店に学ぶ ■水稲除草剤の最近の特徴と今後の展望 日本植物調節剤研究協会 北海道研究センター 主任研究員 半田浩二 氏 ■第6回 和牛甲子園 JA全農が開催 岐阜・大垣養老高校が総合優勝 ■行友弥の食農再論「『じゅうねん』を過ぎても」 2023年2月25日
第69回 JA全国青年大会 記念鼎談 ピンチの今こそ最大のチャンス ~多様な農業の担い手を活かすために必要なこと~ 全国農協青年組織協議会(JA全青協)会長 佐藤崇史 氏 全国農業青年クラブ連絡協議会(全協=4Hクラブ)会長 山浦昌浩 氏 農林中金総合研究所 主任研究員 小針美和 氏 第69回JA全国青年大会が2月21・22日、千葉県・千葉県文化会館とウェブを併用して開催される。ここでは、今大会を記念し、JA全青協の佐藤崇史会長、4Hクラブの山浦昌浩会長、そして農中総研主任研究員の小針美和氏にお集まりいただき鼎談していただいた。両会長とも... 2023年2月15日
2021年5月に決定され、昨年7月にその根拠法となる法律が施行されたみどりの食料システム戦略は徐々に浸透し、各地で具体的な取組みも芽生えつつあるようだ。中でも肥料価格高騰の影響もあって、化学肥料の使用を減らし堆肥にシフトする動きについての報道が増えている。そしてこれは土壌診断とセットになって推進されているものが多いようだ。土壌診断によって不足している成分を明らかにし、これによって適正施肥を行い、過剰な肥料投入を避けることを基本にしている。この土壌診断による適正施肥は重要であり、異論はないのであるが、そのベースには〝土づくり〟への取組みが置かれてしかるべきだと考える。 土づくりのキーワード... 2023年2月5日
このひと 施設園芸 現状から今後を考える 絹島グラベル 代表 長嶋 智久 氏 肥料や燃油価格が高騰するなか、寒さ厳しい今冬にあってハウス栽培農家には、「この状況で経営を続けていけるのか」という不安が募っている。特に野菜の販売価格が上がらないことへの危機感が強い。栃木県宇都宮市で「絹島グラベル」ブランドのトマトを栽培する長嶋智久氏は、これまで面積拡大・周年出荷に取組んでいたが、トマト以外の作物を探し、新たな事業部門を立ち上げ、次を目指している。 中玉とミニトマトで周年出荷目指し… ■現在の経営状況から。 20... 2023年2月5日
JAグループ国産農畜産物商談会 出展者インタビュー わがJAの加工食品の開発と販売 JAふらの(北海道) 加工食品部 東京営業所長 桑原春亀 氏 JA全農と農林中金は2月1、2日の両日、第17回「JAグループ国産農畜産物商談会」を、東京・港区の都立産業貿易センター浜松町館で開催する。コロナ禍でオンラインのみの開催が続いてきたが4年ぶりの会場開催となる。今回は「地域の魅力を未来につなごう!」をテーマに、86団体、106小間が出展し地域の特産品を紹介する。数年来、毎年出展している北海道・JAふらのの加工食品部は、レトルト食品を中心にオリ... 2023年2月1日
福島第1原発事故で約6年間の全村避難を強いられた福島県飯舘村。その地で和牛の繁殖を営むある若手農家は、母牛の体に取り付けたセンサーで体温を測定し、出産などの兆候をスマートフォンに知らせるシステムを活用している。子育てなどの事情で隣町からの「通い農業」を続ける彼にとって、離れていても家畜の状態が把握できる仕組みは心強い味方だ。 人口減少と高齢化が一気に進み、農業の担い手が足りない被災地では、スマート農業の導入が進められてきた。南相馬市小高区では、自動運転のトラクターなどを使い、100ha規模で米やナタネなどを生産している株式会社もある。営農情報を統合的に管理する「農業クラウド」も導入し、そ... 2023年1月25日
特集:第68回JA全国女性大会 〈本号の主な内容〉 ■第68回 JA全国女性大会開く ■JA女性 想いをひとつに かなえよう☘ 実開催・WEB併用で広くつながりを JA全国女性組織協議会 会長 洞口ひろみ 氏 ■JA女性組織に期待する 全国農協青年組織協議会 会長 佐藤崇史 氏 ■JA女性組織、農業女子の活躍に期待します 農林水産省 経営局 就農・女性課 女性活躍推進室室長 渡辺桃代 氏 ■エーコープマーク品 いまおすすめのラインナップ ■未流通農産物の商品化 農家所得向上へJA全農の取組み ■JA全農の労働力支援の取組み ... 2023年1月25日
このひと 消費者と食品行政をめぐって 消費者庁長官 新井 ゆたか 氏 昨年7月、農林水産審議官から消費者庁長官に就任した新井ゆたか氏に、就任半年を振り返って、食品関係に絞って消費者行政への思いを聞いた。 消費者に関する施策を間口広く ■消費者庁長官に就任して半年。この間の感想から。 消費者庁は、商品の取引、製品や食品等の安全、表示など、消費者の安全・安心に関する問題を幅広く扱い、担当する省庁が明確でない、ルールがない、といった〝すきま事案〟と言われる問題も扱っている。設立当初、各省庁が所管する... 2023年1月15日
新しい年を迎えたが、平和な一年となることを切に願う。 農業界では酪農に象徴されるように農家経営は逼迫し、経営の持続が懸念される中、食料安全保障や新基本法の検討、みどりの食料システム戦略の実践等重要課題が山積する現状にある。まさに農政のあり方も含めて抜本的な梃入れが求められるが、併行して地域レベルでの生産者や消費者が連携しての地域循環形成に向けての取組みも強く求められている。新年最初の記事でもあり、関連して自らの本年の目標、〝夢〟を語ってみたい。 江戸時代中期、享保の改革のいっかんとして行われた武蔵野新田開発を成功に導いた府中・押立村の名主で新田世話役として幕府に取り立てられた川崎平右... 2023年1月5日