参議院選挙で自民党は大敗、石破首相の進退問題が浮かび上がったところに、日米関税交渉が8月1日の期限を前に急転、合意した。日米交渉合意を受けて石破首相の退陣は不可避になったとの報道が大半であるが、9月の臨時国会で結局は比較第一党の自民党総裁が首相に選出されると見る向きが強い。いずれにしても衆院に続いての参議院での与野党逆転。また相互関税が当初の25%から15%に引き下げられたとはいえ大きな影響を被ることは間違いなく、さらに交渉の切り札となった5500億ドルにおよぶ対米投資という中身不明の内容解明も含めて、難しい政局が続くことになりそうだ。 農業問題に絞って見れば、関税ゼロのミニマムアクセス... 2025年8月5日
〈本号の主な内容〉 ■このひと 日本生協連のこれから 日本生活協同組合連合会 代表理事会長 新井ちとせ 氏 ■令和7年度JA経営ビジョンセミナー 第1セッション JA全中が開催 「協同組合の原点とJAの組織・事業のミライ投資/協同組合による地域社会づくり」テーマに 福祉クラブ生協(神奈川県横浜市)に学ぶ ■かお 農林中央金庫 監事に就任した 三浦綾子 氏 ■蔦谷栄一の異見私見「里山あってこその平場の水田稲作維持」 このひと 日本生協連のこれから 日本生活協同組合連合会 代表理事会長 新井ちとせ 氏 ... 2025年8月5日
20日に投開票された参院選では「令和の米騒動」を受けて米政策が主要な争点になった。各党の主張はさまざまだが「減反(生産調整)をやめて主食用米を増産」という点はほぼ一致していた。 昨年からの経緯を振り返れば、当初は農水省が「生産量は十分だったが、流通が目詰まりを起こした」と説明。しかし、新米が出回る秋になっても高値が続いたため「流通の問題ではなく、生産が足りない。長く続いた減反政策が原因だ」という見方が広がった。 本当だろうか。長い目で見れば、減反政策にもかかわらず米価は下がり続けてきた。米生産者の高齢化と減少(後継者不足)による生産基盤の弱体化も、昨日今日始まったことではない。その長... 2025年7月25日
〈本号の主な内容〉 ■〈参院選〉与党過半を下回る、国民13議席増、参政13議席増 ■米国関税措置に関する日米協議について合意 石破首相「農業を犠牲にするようなことは一切含まれてない」 ■〝協同〟がよりよい世界を築く~連続シンポジウム・座談会 第4回シンポジウム「SDGsと協同組合」開く 2025国際協同組合年全国実行委員会が開催 ・第一部 SDGsと協同組合~実践状況、達成への課題と期待~ ・第二部 持続可能な暮らしのために、先人から学び、未来へつなぐ~協同組合の父 賀川豊彦とSDGs~ ■「見て、聞いて、体験 協同組合フェスティバル」で... 2025年7月25日
〈本号の主な内容〉 ■農業関連団体・企業/総会・人事 ■かお 農林中央金庫 理事専務執行役員に就任した5氏 ・長野真樹 氏(代表理事専務執行役員) ・川田淳次 氏 ・尾崎太郎 氏 ・安武篤 氏 ・牛窪克彦 氏 ■JA全農 令和7年度事業のポイント 麦類農産部 石澤孝和 部長 2025年7月15日
「令和の米騒動」は江藤農水大臣の失言問題で一転。競争入札で備蓄米を放出していたものを、早々に随意契約に変更。備蓄米はおよそ半値での販売へと誘導をはかりつつあり、生産構造のあり方は横に置かれて、消費者対策への注力は著しい。 小泉農水大臣の行動力とスピード感は大したものであると感心させられるが、一方で農協批判、農協改革を煽っているかのような言動を見逃すわけにいかない。これらを受けてマスコミは、備蓄米の競争入札でその大半を全農が落札したものの、市場に出回ったのはその一部にすぎず、全農・農協が米価を釣り上げている、との批判を繰り返す。農協は米を買取せずに概算金払いで精算を遅らせてもうけている等の... 2025年7月5日
〈本号の主な内容〉 ■このひと JA女性組織の活動展開 JA全国女性組織協議会 会長 西川久美 氏 ■JA全農 令和7年度事業のポイント 施設農住部 谷健太郎 部長 ■蔦谷栄一の異見私見「農協の存在意義と系統共販のあり方」 このひと JA女性組織の活動展開 JA全国女性組織協議会 (JA全国女性協) 会長 西川久美 氏 JA全国女性組織協議会(JA全国女性協)は5月22日に開催した通常総会で、令和7年度の活動計画を決定するとともに新役員を選任。新会長に西川久美氏(愛媛県・JAに... 2025年7月5日
気になる言葉の一つに「生産性」がある。たとえば「賃上げの前提は生産性向上」「(関税や補助金による)日本の農業保護水準が高いのは農業の生産性が低いから」などと言われる。労働生産性と土地生産性を区別する必要があるが、少なくとも前者について日本農業の生産性が低いと思っている人は多いだろう。 筆者もそうだったが、今月10日に開かれた農政ジャーナリストの会総会の記念講演で古屋星斗リクルートワークス研究所主任研究員の話を聞き、考えを改めた。全体の趣旨は少子高齢化による働き手不足に警鐘を鳴らすものだったが、その中で「農林水産業の時間あたり労働生産性は1994~2023年に71%上昇し、これは製造業に次... 2025年6月25日
〈本号の主な内容〉 ■JA全農 令和7年度事業のポイント 耕種総合対策部 鈴木富隆 部長 耕種資材部 高橋正臣 部長 ■農林水産業みらい基金が交流会2025を開催 (紙面をPDFで閲覧いただけます) ■米の安定供給に向けた 政府備蓄米売渡しを含む取組み (令和7年1月~6月17日の時系列まとめ) ■行友弥の食農再論「『生産性』の落とし穴」 2025年6月25日
〈本号の主な内容〉 ■JA旅行事業 令和6年度優績JA最優秀賞を受賞して 旅行事業がJA・地域・組合員にもたらすもの 愛知県 JAあいち知多 代表理事組合長 山本和孝 氏 代表理事専務 伊藤勝弥 氏 ■令和7年度 JA観光推進協議会全国会議 ㈱農協観光が開催 ■6月1日は「牛乳の日」 6月は「牛乳月間」 ■JA全農 令和7年度事業のポイント JA全農 営業開発部 安藤浩 部長 JA全農 フードマーケット事業部 太田純 部長 JA旅行事業 令和6年度優績JA最優秀賞を受賞して 旅行事業がJA・地域・組合員にも... 2025年6月15日
江藤農水大臣の失言問題で後任となった小泉新農水大臣は、早速に備蓄米の随意契約での売渡に踏み出すとともに、古米・古々米とはいえ現状の半値の5キロ2000円で供給するだけでなく、ネット販売やスーパー等での販売により供給ルートの多様化を試みる。また農水省内に米の価格対策のため40人体制の「米対策集中チーム」を発足させた。さらにテレビ番組では「あらゆる選択肢は否定しない」として米の輸入拡大案に含みを持たせた発言もしている。異論はあるが、パフォーマンスはさすが自民党の看板に相応しい。 直面する米の価格高騰や店頭での米不足への迅速な対応を図っていくことはまさに重要かつ必要な対策であるが、そのうえでの... 2025年6月5日
〈本号の主な内容〉 ■特集 持続可能な農業と食のために ~食料・農業・農村基本計画スタートにあたって~ 「新たな『食料・農業・農村基本計画』のポイント」 ・農林水産省 大臣官房総括審議官 山口靖 氏 「新たな『食料・農業・農村基本計画』の評価とJAグループの取組み」 ・JA全中 常務理事 藤間則和 氏 「新たな『食料・農業・農村基本計画』の評価と取組み課題」 ・(公社)日本農業法人協会 会長 齋藤一志 氏 ・㈱日本農業 代表取締役CEO 内藤祥平 氏 ・パルシステム生活協同組合連合会 代表理事理事長 大信政一 氏 ・㈱農林中金総合研究所 主任研究員... 2025年6月5日
トランプ関税に対し「自由貿易を守れ」という某新聞の社説を読み、10年前に大筋合意した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)のことを思い出した。当時、TPP推進論者の多くが自由貿易のメリットを強調していたからだ。だが、そもそもTPPは自由貿易ではなかった。 特定の国だけで貿易や投資に関する協定を結ぶのは自由貿易とは逆のブロック経済だ。1929年の大恐慌を契機に世界経済のブロック化が進み第2次世界大戦の遠因になった。その反省から戦後は自由貿易を目指す機運が高まり、95年の世界貿易機関(WTO)発足に結実した。 しかし、WTO下で更なる貿易自由化を目指すドーハ・ラウンド交渉が2008年に決... 2025年5月25日
〈本号の主な内容〉 ■新農林水産大臣に小泉進次郎氏 ■このひと JA全青協の取組み展開方向 全国農協青年組織協議会 会長 北川敏匡 氏 ■令和7年度 食料・農業・地域政策の推進に向けたJAグループの政策提案 ■ハウスぶどう・ハウスみかん防除研究会 JA全農 耕種資材部が開催 ■行友弥の食農再論「『自由貿易』再考」 このひと JA全青協の取組み展開方向 全国農協青年組織協議会 (JA全青協) 会長 北川敏匡 氏 全国農協青年組織協議会(JA全青協)が5月15日に開催した通常... 2025年5月25日
〈本号の主な内容〉 ■アングル JA共済事業のこれから JA共済連 経営管理委員会会長 青江伯夫 氏 ■令和6年度 JA共済優績組合表彰 受賞組合決定 JA共済大賞に JA兵庫六甲(兵庫)・JAあいち知多(愛知)・JAふくしま未来(福島) ■令和7年度 家の光事業の取組み方向とポイント (一社)家の光協会 代表理事専務 木下春雄 氏 ■TAC・出向く活動パワーアップ大会2024 TAC部門 全農会長賞を受賞した JA京都中央 営農販売課 佐藤聖也さん ■トップインタビュー 農林中金全共連アセットマネジメント㈱(NZAM) 代表取締役会長 長島佳史 氏 ... 2025年5月15日
トランプ政権が発足して3ヶ月。早々にガザ地区そしてウクライナをめぐる和平交渉に着手。想定通りに和平交渉は進展できずにいる中、4月の2日、トランプ大統領は全世界を対象にした相互関税の実施を発表した。中国やインド、EUとともに、「我々の友である日本は(米国産のコメに)700%の関税をかけている。我々に米を売ってほしくないからだ。」(4月4日付け日本経済新聞)と日本を名指しして批判を行った。 本稿ではトランプ大統領の真意や行動、今後の見通し等について云々することは横に置く。相互関税の発表にともない日米協議が開始され、両国ともに早期の結論を目指していることから、本稿の掲載時点では一定程度の方向性... 2025年5月5日
〈本号の主な内容〉 ■このひと 新体制・農林中金のこれから 農林中央金庫 代表理事理事長 北林太郎 氏 ■2025国際協同組合年(IYC2025)の取組み 〝協同〟がよりよい社会を築く~連続シンポジウム・座談会 がスタート 第1回「協同組合と国際協力」 ■JAファーマーズ・マーケットの運営改善にむけて 【JA全中・JA地産地消全国協議会主催】 令和6年度「JA地産地消全国交流研究集会」から ■蔦谷栄一の異見私見「国民の国産支持の運動を」 このひと 新体制・農林中金のこれから 農林中央金庫 代表理事理事長... 2025年5月5日
「令和の米騒動」が止まらない。昨年9月の当欄で「すぐ収まるだろう」と書いたことを悔やんでいる。米価高騰の原因や今後の見通しには諸説あるが、恥の上塗りになりかねないので今回は論じない。代わりに、この事態の意味を考えてみる。 「米が高いのでパンやうどんに切り替えた」といった消費者の声が、最近よくメディアで紹介される。その度に「いや、いくら値上がりしてもまだ米の方が安いでしょ」と心の中で突っ込みを入れていたが、どうも怪しくなってきた。 そう思ったのは、三菱総合研究所のウェブサイトに4月3日付で掲載されたコラム「食と農のミライ」を読んだからだ。総務省などの統計を元に今年2月時点の価格水準で試... 2025年4月25日
〈本号の主な内容〉 ■アングル JA全農事業ビジョン2030と令和7年度事業がめざすもの JA全農 代表理事専務 安田忠孝 氏 ■持続可能な農業と食の提供のために 〝なくてはならない全農〟であり続ける 〝つくる〟力、〝とどける〟力、〝つながる〟力で JA全農事業ビジョン2030 令和7年度事業計画 のポイント/経営計画 ■令和7年産米をめぐるJA全農の対応 JA全農 米穀部 藤井暁 部長 ■TAC・出向く活動パワーアップ大会2024 TAC部門 全農会長賞を受賞した JAフルーツ山梨 山梨ブロック指導課 竹川要さん ■行友弥の食農再論「米が主食でなくな... 2025年4月25日
〈本号の主な内容〉 ■アングル JA厚生事業とJA全厚連の事業のこれから 全国厚生農業協同組合連合会 代表理事理事長 歸山好尚 氏 ■令和7年度 農業倉庫保管管理強化月間 農業倉庫基金/JAグループ/JA全農 「保管米麦の品質保全とカビ防止・防虫・防鼠」「保管米麦の水害事故の防止」「自主的衛生管理の実行」を重点に ■JAグループ版スマートシティ(スマートアグリコミュニティ)を実証中=JA全農 アングル JA厚生事業とJA全厚連の事業のこれから 全国厚生農業協同組合連合会 代表理事理事長 歸山好尚 氏 &n... 2025年4月15日