日本農業の発展と農業経営の安定、農村・地域振興、安心・安全な食料の安定供給の視点にこだわった報道を追求します。

企画記事

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持続可能な社会へ 食と農から資本主義を問い直す 〈2022新春に想う〉

    京都橘大学 経済学部 准教授 平賀緑 氏       マチでもムラでも「食べられない」  食料援助が日本各地で行われ、若者や女性や「ごく普通の服装をしている人」を含む長蛇の列ができる。コロナ禍で失業や減給に追い詰められた人たちが、食費を削り、所持金数百円となってSOSを発するほど「食べられない」。同時に農村ではコロナ禍による需要減で、米価が暴落したり、出荷しても赤字になる野菜が廃棄されたりしている。生産者も経営的に「食べられない」。食料は余るほどあるのにマチでもムラでも「食べられない」現在の日本。何かおか...

「みどりの食料システム戦略」特集=農水省・菱沼義久審議官

日本農民新聞 2021年6月15日号

持続可能な農業と地域を目指して~「みどりの食料システム戦略」とJAへの期待 アングル 「みどりの食料システム戦略」がめざすもの 農林水産省 技術総括審議官 菱沼 義久 氏 持続可能な食料システム構築へ 環境負荷軽減のイノベーションを推進 農林水産省は5月12日、「みどりの食料システム戦略~食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現~」を策定した。将来を見据えた持続可能な食料システムの構築に向けた「みどりの食料システム戦略」の目指す姿と取組方向を農林水産省の菱沼技術総括審議官に聞いた。 生産力向上と持続可能性の両面から中長期的に ■「みどりの食料シス...

新潟食料農業大学・渡辺好明学長

新潟食料農業大学・渡辺好明学長インタビュー

新潟食料農業大学 渡辺好明学長 農業系教育機関のいま 農業大学新設は93年ぶり 「食」「農」「ビジネス」一体的に学ぶ 「自由」「多様」「創造の精神で」 ■新潟食料農業大学の開学の経緯は?  新潟食料農業大学は、平成30年4月に開学した。農業大学としては東京農業大学以来93年ぶりの新設となる。  〝食の王国〟と言われる新潟県は、食品関連産業は約1兆円の規模、日本酒+米加工品だけでも3千億円近い出荷額となっている。これを維持・発展させるためには今後、ユーザーや消費者の求めていることを、より一層しっかり考えていく必要がある。  そうした中、「食」と「農」と「ビジネス」を一体的に学ぶこ...

施設園芸(ピーマン)の事例|スマート農業実証プロジェクト実証成果

スマート農業実証プロジェクト5営農類型の実証成果公表=農水省

 農水省はスマート農業実証プロジェクトの実証成果として、5つの営農類型について中間報告を公表した。同プロジェクトは、ロボット、AI、IoTなど先端技術を生産現場に導入・実証し、経営効果を明らかにすることで、スマート農業の社会実装を加速化することを目的とした事業。令和元年度から2年度までの間に、全国148地区で展開されている(実証期間は2年間)。今回公表されたのは、令和元年度実施地区(69地区)のうち、畑作(小麦、大麦)、露地野菜(キャベツ、ほうれんそう、さといも、すいか)、施設園芸(ピーマン)、果樹(温州みかん)、地域作物(茶)の5つの営農類型についての1年間の実証成果(水田作は2年10月に中...

JA全国青年組織協議会会長田中圭介氏

日本農民新聞 2021年2月25日号

第67回JA全国青年大会 記念座談会 持続可能な農業へ 次世代リーダーの姿とその育成 JA全国青年組織協議会 会長 田中圭介 氏 アグリフューチャージャパン 副理事長 合瀬宏毅 氏(元NHK解説主幹) アグベンチャーラボ 専務理事(JA全農参事) 落合成年 氏  第67回JA全国青年大会が16日、新型コロナウイルスの影響を踏まえ、東京・大手町のアグベンチャーラボから各県をWebで結んで開かれ、約1700人以上が集う大会となった。コロナ禍で新たなJA青年部活動や営農の在り方が模索されてきたこの1年の集大成となった。ここでは、JA全国青年組織協議会(JA全青協)の田中圭介会長...

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日本農民新聞 2021年2月5日号

農林水産業みらい基金 対談 日本農業の新たな潮流 ~時代を拓く挑戦者たち~   農林水産業みらい基金 事業運営委員長 (日興リサーチセンター(株)理事長、元日本銀行副総裁) 山口廣秀 氏(写真左) 日本経済新聞 編集委員 吉田忠則 氏(写真右)    2014年3月、農林水産業と食と地域のくらしを支える全国各地の取組みの支援を目的に、農林中央金庫が200億円を拠出し「一般社団法人農林水産業みらい基金(以下「みらい基金」という)」が設立された。この間の取組みは、2017年6月に『農林水産業のみらいの宝石箱』として同基金から発刊され、昨年6月には第2弾で...

JA全中石堂真弘常務理事[第9回JA活力ある職場づくり全国研究発表会]

第9回JA活力ある職場づくり全国研究発表会

 JA全中は2020年12月11日、第9回JA活力ある職場づくり全国研究発表会を、ウェブ会議システムでJAビルと全国をつなぎ開催した。  JAの総合事業モデルによる経営が厳しさを増す中で、支店(支所)の統廃合・再編が進んでいること、またコロナ禍においてリモートワークやIoT活用の急速な進展に伴う働き方改革など、JAの職場環境が大きく変化している。組合員の営農と暮らしを豊かにする新たな価値創造によるJAの組織・事業活動の展開が求められていることから、JAや民間企業の創意工夫ある取り組みを学び、JAの職場でデジタル活用をすすめつつ、組織活性化と職場に活力を生むJAの人づくり・職場づくりのあり方を...

全国Aコープ協同機構経営会議議長織田展男氏インタビュー

全国Aコープ協同機構経営会議議長織田展男氏インタビュー

この人に聞く コロナ禍におけるAコープ店舗の現状と課題 全国Aコープ協同機構経営会議議長 (㈱エーコープ関東代表取締役社長・㈱Aコープ東北取締役社長) 織田展男氏  今年はコロナ禍で日常生活が一変し消費者の購買行動も変化したといわれる。国産農畜産物の販売拠点であるAコープではどのような変化がみられたのか。織田展男全国Aコープ協同機構経営会議議長に「コロナ禍におけるAコープの現状と課題」を聞いた。 ■新型コロナウイルスによるこの間の事業への影響は。  コロナ禍において、コンビニも百貨店もGMS(総合スーパー)も売上が落込む一方で、食品の構成比の高いスーパーマーケットが「巣ごもり...

農林中央金庫八木正展氏常務執行役員

農林中金ならではの「サステナブル経営」

持続可能な社会の実現に向け、存在意義を見つめ直す 農林中金ならではの「サステナブル経営」 農林中央金庫 常務執行役員 八木 正展 氏 持続可能な社会の実現に向け「サステナブル経営」実践  持続可能な社会の実現に向け世界が動き出している。企業においても持続的(サステナブル)に事業活動を行なうためには、その経営基盤である環境・社会が持続可能となるような事業活動の実践が求められている。農林中金ではサステナブル中期目標を定め、グループ会社と一体になりサステナブル経営を推進している。農林中金がめざすサステナブル経営について、担当の八木正展常務執行役員に聞いた。 環境・社会・経営の持続可...

JA全中馬場利彦専務理事

JA全中馬場利彦専務理事インタビュー

これからのJA組織と全中の役割 JA全中 専務理事 馬場 利彦 氏  8月の全中通常総会で、専務理事に就任した馬場利彦氏(前日本協同組合連携機構=JCA代表理事専務・元JA全中参事)に、これからのJA組織の活動姿勢と全中の役割への思いを聞いた。 対話こそ不断の自己改革の途 「国消国産」で消費者が求める食料を ■全中専務となっての抱負は?  再任された中家徹会長は、総会で4つの課題に取組む決意を新たにした。  第1は、不断の自己改革と准組合員の事業利用制限の阻止。第2は、JAの経営基盤確立強化と対話運動。第3は、食料・農業・農村基本計画の実践と国民理解の醸成。そして第4...

片倉コープアグリ㈱代表取締役社長野村豊氏|創立100周年その歩みと今後の事業展開

片倉コープアグリ㈱野村豊代表取締役社長インタビュー

創立100周年 その歩みと今後の事業展開 片倉コープアグリ㈱ 代表取締役社長 野村 豊氏 肥料を提供し続け日本農業に貢献 新たなビジネスフィールドの拡大めざす ―100周年を迎えた思いから。 野村 2014年6月に片倉チッカリンの社長に就任以来6年が経つ。就任直後からコープケミカルとの合併交渉に入り、紆余曲折はあったが合意に至り2015年2月に正式発表できたことは、私にとって大きなエポックだった。  発祥の地である大分工場跡地を如何に活用するかが長年の懸案事項であったが、複合商業施設「KCAアクロスプラザ大分駅南」として2016年10月に竣工。そして今回の100周年と、当...

みらい基金助成対象事業オール真庭

「農林水産業みらいPJ」の19年度助成先が決定=みらい基金

過去最高の応募、8件に総額6億7780万円  一般社団法人農林水産業みらい基金(代表理事=大橋光夫昭和電工㈱名誉相談役)は11日、2019年度助成対象事業を発表した。 *みらい基金…農林中金が農林水産業や地域の活性化に貢献する取組みに費用を助成するために200億円を拠出して2014年設立。  同基金が展開する「農林水産業みらいプロジェクト」は、前例にとらわれず創意工夫にあふれ、直面する課題の克服にチャレンジしている地域の農林水産業者の取組みに対し、「あと一歩の後押し」を通じて、農林水産業と食と地域のくらしの発展に役立ててもらおうというもので今回で6回目。様々な農林水産業者の取組みの参考と...

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令和元年度 JA営農・経済担当常勤役員・幹部職員研修会 第5回「JA営農・経済フォーラム」=JA全中

営農・経済事業改革の深化へ 事例共有し人材育成・体制整備さらに    JA全中は、令和元年度JA営農・経済担当常勤役員・幹部職員研修会「第5回JA営農・経済フォーラム」を、8月27~28日に西日本地区(会場=福岡県内)、29~30日に東日本地区(東京都内)で開催した。営農・経済事業におけるJAの取り組み成果を全国で共有し、人材育成や体制整備等の観点から、JAの営農・経済事業改革を深化させることを目的に開催したもので、2地区合わせ約350名が参加した。  開会挨拶では、JA全中常務の肱岡弘典氏が、全国のJAにおいて実施している、JAの自己改革に関する組合員調査の中間...

JA都市農村交流全国協議会はJA都市農村交流活動優良事例として最優秀賞にJAはくい(石川)を表彰した。

優良事例を表彰、最優秀にJAはくい=交流協

JA都市農村交流全国協議会(会長=林茂壽JA千葉中央会会長、事務局=JA全中くらし・高齢者対策課)は平成30年度JA都市農村交流活動優良事例として最優秀賞にJAはくい(石川)、優秀賞にJA紀の里(和歌山)、JAきみつ(千葉)を表彰した。  第2回になるこの表彰は、都市と農村の人の交流をはじめJA同士や他組織との活動を通じて、JAのファンづくりや地域活性化につなげ、その優良活動事例の普及により、今後の交流活動と会員JA相互の連携促進を高めることが目的。審査基準は「協同組合間連携」と「地域の多様な組織との連携」を前提に、①事業拡大に貢献する先進性、②ファンの拡大度、③地域の...

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