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第9回JA活力ある職場づくり全国研究発表会

2021年2月4日

JA全中石堂真弘常務理事[第9回JA活力ある職場づくり全国研究発表会] JA全中は2020年12月11日、第9回JA活力ある職場づくり全国研究発表会を、ウェブ会議システムでJAビルと全国をつなぎ開催した。

 JAの総合事業モデルによる経営が厳しさを増す中で、支店(支所)の統廃合・再編が進んでいること、またコロナ禍においてリモートワークやIoT活用の急速な進展に伴う働き方改革など、JAの職場環境が大きく変化している。組合員の営農と暮らしを豊かにする新たな価値創造によるJAの組織・事業活動の展開が求められていることから、JAや民間企業の創意工夫ある取り組みを学び、JAの職場でデジタル活用をすすめつつ、組織活性化と職場に活力を生むJAの人づくり・職場づくりのあり方を考えることが目的。全国のJA、中央会・連合会の役職員が参加した。

 冒頭、JA全中の石堂真弘常務理事〔写真〕が挨拶。「新型コロナウイルスによるピンチを、JAにおけるデジタル化を大きく進めるチャンスと捉え、JA事業・活動・運営にデジタルの利活用を積極的に進めることが重要だ」「職場に根付かせるためには、できるところから一歩ずつ進めていくことが大切だ。参加者の皆さんは自らの職場に導入した場合、何をどこから始めればよいか、想像力を張り巡らせながら具体的な一歩を進めてほしい。来年度はJA全国大会、JA県大会が開催され、多くのJAで中期経営計画を策定する年度だ。デジタル化をめぐる問題は最重要課題と位置づけられるだろう。全中でも、本日の発表や意見を全国大会議案に反映し、各JAにおける取り組みを支援していきたい」と述べた。

 発表会では、JA全中教育部の田村政司教育企画課長が「JAらしい活力ある職場づくりとオンラインワークの取組み課題」をテーマに課題提起。また実践報告では、㈱NTTドコモ地域協創・ICT推進室の阿野桂子第一・第二担当主査と、第四営業・第二担当の關瑞樹氏が新しい働き方の提案、JA山口県総合企画部の藤田竜也情報システム課担当課長がRPA(=ロボティック・プロセス・オートメーション。ソフトウェアロボットによる定型業務の自動化)とOCR(光学式文字認識)を活用した営農経済業務の改善について、生活協同組合コープこうべ情報・物流推進部の浜地研一インターネット・デジタル推進統括が「組合員参加のプラットホームづくり~新しい時代にフィットする協同組合のつながり方」をテーマに、スマートフォンアプリ等を用いた参画等の状況についてそれぞれ説明した。

 藤田氏は、合併前の旧JA下関でオペレータが手打ちしていた年間約10万枚の手書き注文書の様式を統一し、スキャナで読み取り入力を半自動化、集計・加工作業を自動化した結果、入力時間が50~70%程度削減され、組合員対応強化等に取り組めるようになったと説明。JA山口県でも下関・山口の2統括地域から効果の検証を始め、全11統括本部での検証に移ったと述べた。

 また、日本協同組合連携機構基礎研究部の西井賢悟主任研究員をコーディネータに、日本農業新聞の田宮和史郎論説委員室主幹と発表者が全体討議を行い、参加者からの質問に答える等、理解を深めた。


※JA等の実践事例報告はリンク先に要旨を掲載しています。

課題提起
JAらしい活力ある職場づくりとデジタル化の情勢認識と本日の学習課題
 JA全中教育部教育企画課長 田村政司氏

実践報告
新しい働き方のご提案
 ㈱NTTドコモ 地域協創・ICT推進室
 第一・第二担当主査  阿野桂子氏
 第四営業・第二担当  關 瑞樹氏
RPA×OCR活用による営農経済業務改善
 JA山口県 総合企画部情報システム課担当課長 藤田竜也氏
組合員参加のプラットフォームづくり ~新しい時代にフィットする協同組合のつながり方~
 生活協同組合コープこうべ 情報・物流推進部 インターネット・デジタル推進統括 浜地研一氏

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