〈本号の主な内容〉
■新農林水産大臣に小泉進次郎氏
■このひと
JA全青協の取組み展開方向
全国農協青年組織協議会 会長 北川敏匡 氏
■令和7年度 食料・農業・地域政策の推進に向けたJAグループの政策提案
■ハウスぶどう・ハウスみかん防除研究会
JA全農 耕種資材部が開催
このひと
JA全青協の取組み展開方向
全国農協青年組織協議会
(JA全青協)
会長
北川敏匡 氏
全国農協青年組織協議会(JA全青協)が5月15日に開催した通常総会で、令和7年度新会長に北川敏匡氏(JA全青協副会長、JA三重青年部顧問、JAいがふるさと青年部顧問)が就任した。北川会長に抱負やJA青年組織活動に対する意気込みを聞いた。
盟友参加型で日本中を盛り上げる全青協を
■新会長としての抱負を。
会長に就任し、より一層身が引き締まった。基本的には立候補時に表明した「明るい未来を見出すこと」を一貫し、全青協の活動に携わっていきたいと考えている。今年の活動のテーマは「さあ、みんなでやってみよう!」。盟友同士が手を取り合い、皆が参加型で全青協を後押しし、日本中を盛り上げるスタンスを引き出していきたい。
そのためには全青協の会長として、旗振りの役割をしっかりと担うべきだと考えている。思いや考えは分かりやすい言葉で伝えるよう努め、士気をあげるような行動をとっていきたい。
コロナ禍も明けて通常運営に戻ってきているが、関税や農業政策等、様々な課題がある。これらに注視しながら、できることは最前線で実行していきたい。
ビジョンを明確にしたJA青年組織活動に
■JA青年組織活動の振り返りと、農政や農業情勢について。
昨年度の副会長時はポリシーブックの改定を担当した。今年度の改定では、全青協の先輩方が築き上げてきていただいたものをさらにバージョンアップするよう努めていきたい。
食料・農業・農村基本法の改正や食料・農業・農村基本計画で新しい今後の方針が立てられた。農政のこの動きは非常にありがたく感じている。基本法や基本計画の中にも全青協が政策提言したことが取り入れられており、これからの農政に期待しているところだ。
ただ大切なのは、国任せでなく、全国の盟友、そして自分自身がどのようにしたいのか、どのような未来を描いているのかを、より前面に出していくことだ。
地域や国が何を求めているかにしっかり目を向け、全青協としてできることを模索していきたい。
日本の食文化を見つめ直す機会に
■米の高値について。
昨年からの米販売価格に対して起きている、消費者やメディアの強い反応は、日本人にとって、主食である米がいかに重要であるかを改めて示し、米の生産・流通について考えるきっかけになったと思う。
「食が文化をつくり、文化が国をつくる」という言葉があるが、その通りだと思う。米を使ってきた和食があり、和食を基にした文化があることで、その文化に人が集まり日本という国が成り立っている。このような流れに改めて思いを致さなければ、和食文化や日本らしさが消えてしまうことにもつながってしまうのではないか。
費用対効果や必要度を考えたスマート農業を
■スマート農業への取組み、思いは。
スマート農業は、できるだけ利用していただきたいと考えている。産地に人手がどうしても少なくなっている現状であるため、資金繰りを上手くやりつつ使うことができれば、とても良いツールだと思う。
そこで重要なのは、資金繰りや費用対効果を鑑みながら、どこまで必要であるかをよく考えること。盟友や農業者自身がそれぞれ、きちんと状況を判断して取組んでほしい。よりスマート農業の取組みが進展していくことで、新しい技術や機器が誕生し価格が安くなる可能性もあると期待している。若手の農業者だけではなく、自分たちの世代もスマート農業に向き合っていくことが重要だ。
消費者の理解醸成や食農教育をポイントに
■次の中期活動目標で目指したいことは。
まず組合員と伴走しつつ、全青協としてできることを考える必要があると思っている。
そのためにも、組合員に寄り添いながら時代の流れを汲み取り、自分たちが何を大事にするべきかを考え、中期活動目標の枠組みを形づくっていきたい。特に地域での取組みでは、消費者の理解醸成に継続して取組んでいきたいと思っている。併せて、食農教育にも力を入れていきたい。
昨年、JA全青協設立70周年記念として開催したマルシェにもまた取組むことができるよう、次の計画にも盛り込みたいと考えている。
協同の理念や精神を改めて見直す機会に
■JA運営への青年組織の参画や国際協同組合年の取組みについて。
まずは各JAの青年組織で行っている取組みをしっかり実践してもらうことが基本だと考えている。
全青協の役割は、盟友の意見を集約し、各種委員会等でしっかりと発信することだと考えている。そのためには、協同の理念や精神を、今一度確認することが必要だ。これらを軸に据え、生産者の中核を担う世代として発信していきたい。
今年は国際協同組合年でもあり、JAグループ全国連も2025国際協同組合年全国実行委員会に参画している。全青協としても何か取組むべきだと考えているが、まずは国際協同組合年に関するイベントなど、声が掛かることがあればぜひ参加させていただきたい。