日本農業の発展と農業経営の安定、農村・地域振興、安心・安全な食料の安定供給の視点にこだわった報道を追求します。

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日本農民新聞 2024年4月15日号

アングル   JA全厚連 令和6年度事業のポイント   全国厚生農業協同組合連合会 代表理事理事長 中村純誠 氏    JA全厚連は3月の臨時総会で、令和6年度の事業計画を決定した。新型コロナ対応や諸物価高騰の影響も重なりJA厚生連の経営が厳しさを増している中、これからのJA厚生事業のあり方と取組み方向を、JA全厚連の中村純誠代表理事理事長に聞いた。   迅速だった厚生連病院のDMAT対応 ■まず、能登半島地震にかかるJA厚生連の対応について。  元日の能登半島地震発生後、厚労省DMAT(災害派遣医療チーム)事務局や都道府県...

〈蔦谷栄一の異見私見〉日本農業の行方を左右する今国会

 食料・農業・農村基本法(以下「基本法」)の改正についての国会での本格的審議が始まった。既にご承知のとおり基本法の主な改正点は食料安全保障の強化がメインであり、これにみどりの食料システム戦略等の情勢変化への対応が追加された中身となっている。  基本法改正の論議のきっかけとなったのがウクライナ侵攻にともなって顕在化した穀物価格や生産資材の高騰であり、連動しての食料品価格の上昇から大きく広がった食料安定供給に対する不安である。こうした事態に対応して自民党の主導で食料安全保障についての議論が巻き起こされ、そこでの基本法改正の提言を受けて農水省も農政審議会に検証部会を設けて議論を開始することとし、検...

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日本農民新聞 2024年4月5日号

  〈本号の主な内容〉 ■水稲箱施用剤の播種時同時処理について  秋田県立大学 生物生産科学部生物生産科学科  教授 藤晋一 氏 ■ウンカ類における適切な防除  JA全農 耕種資材部 ■蔦谷栄一の異見私見「日本農業の行方を左右する今国会」

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日本農民新聞 2024年3月29日(増刊)号

アングル   JA共済 令和6年度事業に向けて   JA共済連 代表理事専務 村山美彦 氏    JA共済連は3月21日、臨時総代会を開き、令和6年度事業計画を決定した。JA共済事業をめぐる事業環境・課題と今後の方向性、6年度事業のポイントを村山美彦代表理事専務に聞いた。     88%の損害調査を完了、迅速な共済金支払いへ ■まず、能登半島地震への対応状況から。  令和6年能登半島地震で被害に遭われた皆さまには、心からお見舞いを申し上げます。  JA共済連では、被災地域の一日も早い復旧・復興のお役に立てるよう、...

〈行友弥の食農再論〉未来に引き継ぐ価値

 前回の当欄に、能登半島地震で壊れた石川県輪島市の棚田「白米千枚田」を「地元だけで維持するのは厳しい」と書いた。もちろん「厳しいから失われても仕方がない」という意味ではない。地域を超えた支援の必要性を指摘したつもりだ。  棚田を含む「能登の里山里海」は2011年6月、日本初の世界農業遺産に認定された。「遺産」の英語表記はレガシー(物故者が残した財産)ではなくヘリテージ(世代を超えて受け継がれていくべきもの)。農業遺産は古代遺跡や単なる自然景観と違い、人々の営みによって継承されていく。つまり能登の里山里海に人々が戻り、農業や漁業を続けられるよう支えることは、世界に向けた日本の約束といえる。 ...

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日本農民新聞 2024年3月25日号

〈本号の主な内容〉 ■第15回 JA戦略型中核人材育成研修 全国研究発表会  JA全中が開催  〝自律創造型〟のJA職員に 育成研修修了者24名が発表 ■農産物検査  JAグループ・全集連が全国鑑定(競技)会を開催 ■令和5年度 JA共済総研セミナー  「多様な担い手と農福連携」テーマに開催 ■農林中金・JAバンクを支える情報システムの現状と今後の方向  農中情報システム㈱ 代表取締役社長 半場雄二 氏 ■行友弥の食農再論「未来に引き継ぐ価値」

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日本農民新聞 2024年3月15日号

第8回 JA営農指導実践全国大会最優秀賞 を受賞して   産地の持続的発展へ 営農指導員の役割   和歌山県 JAわかやま 南部営農センター 楫本智司 氏    JA全中が2月16日開催した第8回「JA営農指導実践全国大会」における事例発表で、最優秀賞を受賞したJAわかやま南部営農センターの楫本智司氏に、産地の持続的発展に向けたJA営農指導員の役割を聞いた。   組織整備、品種改善、差別化でブランド力強化 ■今回の発表内容の概要から。  南部営農センター管内は、昔から地域ブランドである「わかやま布引だいこん」の産地で、これを...

〈蔦谷栄一の異見私見〉基本法改正と所得補償

 先の2月13日、自民党の検討PT、農地政策検討委員会、農林部会の合同会議に、食料・農業・農村基本法(以下「基本法」)の一部改正に関する法律(案)、そして食料供給困難事態対策法案(仮称)(骨子)、食料安定供給のための農地の確保及びその有効な利用を図るための農業振興地域の整備に関する法律等の一部を改正する法律案(仮称)(骨子)が示され、27日、閣議決定された。基本法見直しの全貌が条文レベルで明らかになった。  これまで法案の骨子や概要については新聞等で報道されてはきたが、あらためて法律(案)を見て感じることは多い。今回の基本法改正は食料安全保障の確立とみどりの食料システム戦略の策定にともなう環...

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日本農民新聞 2024年3月5日号

アングル     耕畜連携の現状とこれから   農林水産省 畜産局長 渡邉洋一 氏    耕種と畜産酪農との間で資源循環を行いながら営農する耕畜連携はいま、環境配慮、飼料・肥料価格の高騰対策と輸入依存低減に向けて、重要性がこれまで以上に高まっている。農林水産省の渡邉洋一畜産局長に、耕畜連携の現状とこれからを聞いた   パッケージで早期普及を支援 ■能登半島地震における畜産・酪農の現状と対応状況から。  能登半島地震の被害に見舞われた方々に、改めてお悔やみとお見舞いを申し上げます。  今回の地震による農林水産省関係の...

〈行友弥の食農再論〉田ごとの月のように

 世界農業遺産に登録される石川県輪島市の白米千枚田。日本海へ向かって広がる棚田の景色は息を飲む美しさだが、元日の能登半島地震で無残に壊れた。無数の亀裂が走り、水を張ることもできない。棚田の多くは高齢の農業者たちが支えている。地元の力だけで再生・維持するのは厳しそうだ。  2日付の日本農業新聞によると、能登半島全体で米の作付けが困難な水田は1000haに上る。東日本大震災でもそうだったように、災害をきっかけに離農する人が多いだろう。  東北の被災地では、農地復旧と併せて水田の大区画化や水利施設の改良が進められた。いわゆる「創造的復興」を目指す施策だが、少数の担い手で大きな面積をカバーするには...

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日本農民新聞 2024年2月25日号

このひと   究極の一次産業のカタチを創る   ㈱ベリーズバトン(栃木県真岡市) 代表取締役 新井孝一 氏    少子高齢化や生産年齢人口の減少による人材確保がどの産業でも大きな問題になっている。農業は魅力ある職業か? 就農時の自身の体験から、他の業界に負けない農業経営を目指し、働きやすい職場、やりがいのある仕事、カッコイイ農業への変化を実践する栃木県真岡市の㈱ベリーズバトン・新井孝一代表取締役に、人を引き寄せ、前向きの力を引き出し、日本一のイチゴ産地を次世代につなぐ取組みを聞いた。   伝統を事業として次世代へ ■会社設立まで...

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日本農民新聞 2024年2月15日号

第70回JA全国青年大会 記念対談 国産農畜産物の販売力と生産力をめぐって   全国農協青年組織協議会(JA全青協) 会長 稲村政崇 氏 JA全農 チーフオフィサー 戸井和久 氏    全国農協青年組織協議会(JA全青協)は、第70回JA全国青年大会を2月28・29日、東京の文京シビックホールで開催する。これを記念して、JA全青協の稲村政崇会長、JA全農の戸井和久チーフオフィサーに、「国産農畜産物の販売力と生産力をめぐって~日本農業の未来へ、いま学ぶこと、種をまくもの~」をテーマに対談いただいた。   農業とわたし ■はじめに自己紹介...

〈蔦谷栄一の異見私見〉能登半島地震が見せる農業の近未来

 まさかの正月1日に能登半島で震度7の大地震発生。犠牲になられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、被災された皆様には心よりお見舞い申しあげます。  東京から現地に救援に駆け付けた専門家からということで伝え聞いた話では、大きな揺れと津波に火事が重なったためか、専門家がこれまで足を踏み入れたどの災害現場よりも、その被害の程度は凄まじいという。日本海側の厳寒時期での被災で、寒さに雪、そして水道や電気等のインフラが切断されて、不便かつ大変な避難生活を余儀なくされている被災者の様子をテレビ等で目にするたびに、何とか苦難を乗り越えて春を迎えていただきたいと祈るばかりである。  先日、持続可能な農業を...

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日本農民新聞 2024年2月5日号

JAグループ国産農畜産物商談会 出展者インタビュー   私のイチオシ出展商品   農事組合法人21世紀フラワーファーム (山口県下松市) 代表理事 藤田シゲ子 さん   理事 藤田善江 さん    2月28・29の両日、東京・浜松町の産業貿易センターで「第16回JAグループ国産農畜産物商談会」が開催される。北海道から沖縄まで70を超えるJA・農業法人、漁協等が出展し、各地の魅力ある商品を取り揃えバイヤーを迎える。今回、TACの店で初出展する山口県下松市の農事組合法人「21世紀フラワーファーム」は、化学肥料・農薬不使用で栽培する農産物の加...

〈行友弥の食農再論〉「珠洲原発」のまぼろし

 正月気分を吹き飛ばした元日の能登半島地震。筆者も帰省先に津波注意報が発令され、老母の手を引いて右往左往した。しかし、被災者の苦難とは比べようもない。心からお見舞いを申し上げ、亡くなった方々の冥福を祈る。  新聞記者時代から災害には縁があった。新潟県中越地震(2004年)、東日本大震災(11年)、熊本地震(16年)では現地へ行った。福島県の被災地には今も時折、足を運んでいる。  被害の形は土地によって多様だが、これらの被災地に共通するのは(仙台圏を除けば)過疎化・高齢化が進む農山漁村という点だ。報道を通じ能登の状況を見ていると、既視感を覚える。  中越地震では崩れた土砂が川をせき止めて「...

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日本農民新聞 2024年1月25日号

特集:第69回JA全国女性大会 〈本号の主な内容〉 ■第69回 JA全国女性大会開く ■JA女性 想いをひとつに かなえよう☘  一歩踏み出す勇気を持って  JA全国女性組織協議会 会長 久保町子 氏 ■女性農業者の多様な活躍に期待します  農林水産省 経営局 就農・女性課 女性活躍推進室室長  伊藤里香子 氏 ■JA女性組織に期待する  消費者の理解醸成に、最も近い視点から  全国農協青年組織協議会 会長 稲村政崇 氏 ■食と農をめぐる現状とAコープ東日本の取組み  ㈱Aコープ東日本 代表取締役社長 宗村達夫 氏 ■エーコープマーク品のイチオシ商品  エーコ...

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日本農民新聞 2024年1月15日号

このひと   JAバンクの取組み方向   JAバンク代表者全国会議議長 JAバンク中央本部委員会委員長 寺下三郎 氏    昨年7月27日、JAバンク代表者全国会議議長(県域信用事業を代表する者の全国代表者)とJAバンク中央本部委員会委員長に、寺下三郎氏(大阪府信連経営管理委員会会長)が選任された。寺下氏にJAバンクの取組み方向について聞いた。   JAならではの存在価値発揮を ■7月にJAバンクの代表者全国会議議長・中央本部委員会委員長に就任された抱負は?  国際情勢が非常に不安定ななかで、原油価格の高騰や円安は食料自給率に...

〈蔦谷栄一の異見私見〉国民皆農からの食料安全保障確保

 2024年が明けた。ウクライナ、パレスチナと、いったん始まった戦争はなかなか終結を見ず、一方であらたな火種は増えるばかり。新しい年が戦争のない平和な世界に向けての転換点となることを心底から祈念したい。  戦争が勃発し、戦火が拡大するほどに浮き彫りになってきたのが、わが国の農業生産基盤の弱体化、そしてエネルギー調達基盤の脆弱性である。ロシアからの液化天然ガス(LNG)輸入が困難化し綱渡りを続ける一方、中東からの原油輸入も紅海やスエズ運河の通航がままならなくなるなど、わが国のエネルギー資源の調達はまさに黄色信号が点滅している。そして農業についてはあらためて述べるまでもなく、生産の大規模化・生産...

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日本農民新聞 2024年1月5日号

2024年 持続可能な社会・農業をめざして   〈本号の主な内容〉 ■年頭所感     坂本哲志 農林水産大臣 ■JAグループトップ新春の決意  JA全中      山野徹 会長  JA全農      折原敬一 会長  JA共済連     青江伯夫 会長  農林中央金庫   奥和登 理事長  JA全厚連     長谷川浩敏 会長  家の光協会    栗原隆政 会長  ㈱農協観光  全国農協観光協会 櫻井宏 会長  文化連      八木岡努 会長 ■新春に想う  千葉商科大学 人間社会学部 准教授 小口広太 氏 ■2024農業関連団体・...

〈行友弥の食農再論〉本当に残酷なのは…

 宮沢賢治の童話「なめとこ山の熊」は、熊撃ち猟師と、その獲物である熊たちとの交流を描いている。熊の毛皮と肝を売るしか収入源がない猟師に、ある熊は「2年待ってくれたら、お前のために死ぬ」と約束し、それを果たす。だが、最後に猟師は熊に殺される。襲った熊は「お前を殺すつもりはなかった」と言い、猟師は「くまども、ゆるせよ」とわびながら絶命する。  もちろん、おとぎ話だ。だが、この国で狩猟や畜産に携わる人々が、動物に感謝と贖罪の感情を抱いてきたことは事実だ。東北のマタギ(猟師)は、仕留めた熊の魂を山に返す儀式を行う。捕鯨の盛んだった土地には「鯨塚」があり、食肉処理場にも供養塔がある。  熊の被害が多...

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