まず、会長就任の抱負から…
 長年農協運動に携わってきた。その農協運動の理念を活動の基本とし全国の皆さんとともに前向きな活動を展開していきたい。全国組織として全国の女性組織の手本となるような運営をめざしたい。
 部員数の減少が長年の課題となっているが、むしろ現有勢力でも本当に組織の力を出し切ることが大事ではないか。1つのことでもみんなが力を合わせ取り組み、みんなが良かった、楽しかったと思ってもらえるような活動が次ステップを切り開いていくと思う。
 作れば売れる農業の時代は終わった。いかに消費者に理解してもらい食べてもらえるか、農業者自らが情報を発信していく必要がある。作り方や食べ方、健康に関する情報発信は、女性の得意な分野だ。そうした持てる得意分野を発揮した活動を展開できればと思う。地域や全国の「大会」も、もっと自分達の活動を外に向かいPRしていく機会にしていくべきだと考える。

21年度のJA全国女性協の活動のポイントは?
 新3か年計画「JA女性 かわろう かえよう STEP2」の最終年度として、農とくらしを支え、食と地域を守り、家族の主役・JAの主人公になることを3本柱とした活動の総仕上げをめざしていく。また、今年度から新たに、JAグループが取り組む“みんなのよい食プロジェクト”と連動して、国産農畜産物の消費拡大運動を展開する「地域農業を守り食料自給力向上をめざす運動」、全国統一で家庭で身近に行える「水道光熱費10%削減運動」に取り組む。さらに、郷土の食文化を広め日本農業のファン作りの一助とすべく、農協観光が主催する「みんなのよい食 農家のお母さんお弁当コンテスト」にも参加する。世代を超えて良いもの、大事なものはしっかり受け継いでいける、各世代のもつそれぞれの力を引き出していくような活動をめざしたい。

組織活性化とJA運営への参画促進も大きな課題だが…
 「かわろう かえよう」は私の大好きな言葉だ。これをテーマにして6年目。この間、JA女性組織は大きく変わってきている。女性の正組合員や総代の増加、何よりも全国で600名を超えるJAの理事等が誕生していることは、大きな成果だ。JA全国女性協では、女性正組合員比率25%、総代比率10%、理事等は各JA数で2名以上を目標に、引き続き取り組みを強化することにしているが、一方で次のステップも見据えていく必要があると思う。
 先輩達が苦労して、JA役員登用への女性枠を設けてくれたことに感謝しつつ、では、どのような理事に向かっていくかを考えるべき。女性枠であれ地域代表枠であれ、役員は組合員の生活を背負っている自覚が必要だ。女性枠で登用され任期が終わったら、地域枠から理事に挑戦するくらいの気構えが欲しい。地域の組合員全体のこと考える視点をもった女性役員が増えれば、JAはさらによい方向に進むのではないか。

日本農業の現状とJAの役割をどのように考えるか?
 私自身、日本一と言われる「青森リンゴ」を作っていて、何故それだけで生活できないのかといつも思う。生活できない農業では後継者も育たない。農業で生活が出来る所得が基本であり、この基本は崩したくない。消費者も国産や地産地消志向と言いながらも、結局は価格を優先する実態にある。この矛盾をいかに是正していくかが課題だ。そのためには、私たちもJAもしっかりした情報を消費者に発信していかなければならない。いかにすれば“買ってもらえる”物が出来るか、JA自身もそこから発想していくべきだ。組合員がいなければJAはなりたたない。組合員の視点での運営を農協発足の原点からもう一度考えるべき時にきていると思う。そして、組合員の営農と生活を守ることがJA事業の両輪であるならば、これまで以上に女性を巻き込んでいくべきだ。

全国のJA女性組織のみなさんに訴えたいことは?
 女性の活動を認めてもらえるような活動に取り組んで欲しい。もちろんJAの支援や連携は必要だが、一方で自らの意識と力で動く自立した組織をめざして欲しい。幼い頃、「一人だけでなく、みんな一緒でないと世の中はよくならない」と、祖父がよく言っていた。今思えば、それはまさに「協同の精神」を説いていたと思う。一人ひとりの力を出し合い、小さな地道な活動でもまず一歩を踏みだし、共に積み重ねていくことが、やがて大きな力となると確信している。

2009年 6月15日号 第2860号
このひと
JA全国女性組織協議会会長に就任した
佐藤 あき子 さん

 5月14日のJA全国女性協の総会で、佐藤あき子会長(青森県JA女性組織協議会)、藤木智恵子副会長(JA佐賀県女性組織協議会)の新執行体制がスタートした。19年度からの新3か年計画「JA女性 かわろう かえよう STEP2―食と農を育む未来計画」の最終年度であるJA全国女性協の21年度活動計画を踏まえつつ、JA女性組織活動への思いを佐藤新会長に聞いた。