就任の抱負を
 全青協は昨年まで、組織活性化や食農教育を重点に活動を進めてきたが、昨今、原油や飼料・肥料等の生産資材原料が高騰し、農業経営そのものの環境が非常に厳しくなってきた。個人の経営が確立しなければ、組織も活性しないし食育にも手が回らない。まずは全ての品目で経営が確立できるよう活動していくことが大前提だ。
 日本の農業や農家の現状を消費者にわかってもらわない限り、生産コストの上昇分を適正に価格に反映するにための理解は得られないだろうし、安全・安心な農産物を作り、多面的機能を発揮して国土や環境を守っていることにも理解を得られない。農業・農家を支えてもらう関係を構築するうえでも食農教育は非常に大事だし、これからも活動を強化していく。ただ、これは時間を要する地道な活動で、その前に個々の経営を確立することが喫緊の課題だ。
 「大変だけどどうしようもない」、今の切実な窮状を訴えても「どうせダメだ」とあきらめている人が多いのではないか。全青協は昨年、品目横断的経営安定対策等に対する提言を政策に反映させ、飼料高騰に喘ぐ畜産・酪農経営への対応を国に要請し緊急対策に結びつけることができた。こうした活動を通して“動けば変わる”ことを実感した。行動することで情況を変えることが出来るということをわかってもらえるような活動を展開し、少しでも自分たちの経営がよくなるようみんなで力を合わせて頑張っていきたい。

今年度からの中期活動計画のポイントは?
 組織基盤の強化では、現状67.8%の組織化率をぜひ100%にもっていきたい。青年部に入ることで、自分の経営がよくなるようなメリット感をもってもらえるようにしなければならない。そのためにも経営確保に向けた要望を政策に反映させていく活動を強化したい。JA運営への参画では、全盟友の正組合員加入とともに、経過措置として青年部枠を設け1JA1理事・参事と全盟友の概ね2割の総代就任を目指す。情報ネットワークの拡充では、全青協・盟友双方向の情報交換を充実するとともに、JAのホームページでの青年部のページ開設を促進し、全国ホームページコンクールも開催していく。食農教育の強化では、各都道府県、趣向を凝らした活動を展開しつつ、そうした全青協の取り組みをマスコミ等に積極的にアピールしていくことも重要と考えている。

JAへの要望や期待は?
 組織化率向上には、未組織JAでの受け皿づくりが欠かせない。JAの将来のためにも青年部は必要だとの認識をもって積極的に組織化を働きかけ、JAとしての体制も整えて欲しい。JAの事務局は活動のリード役を務めるとともに、地域の担い手とJAを橋渡しし距離を近づける重要な役割に担っている。この役割をJA全体が評価し、事務局の体制を充実する必要がある。次代の農業者・組合員を育てていかなければ、JA自体の存在基盤が揺らいでいくという危機感をもって欲しい。
 広域合併が進み支所が統廃合され、JAと組合員・地域住民の距離は広がっている。これを縮めるには、こうした事業ならぜひ利用したいと思われるような“使いたいJA”になる必要がある。そのためには、組合員・地域住民が今何を必要としているかを把握しその提供に努める、満足度向上の視点での事業展開の姿勢が求められていると思う。

これからの農業とJA青年組織の役割は?
 同世代の仲間たちは「今の情況では子どもに農業を勧めらない」と言い合っている。今の300万人程度の農業従事者は、10年後には半減するとも言われている。いわゆる“担い手”の規模拡大の努力だけで現状の食料供給率を支えていくことは困難だ。新しい農業者をいかに取り込んでいくかも今後の大きな課題となってくるだろう。農業を魅力あるものとしなければならないし、その前提として“生活出来る農業”が不可欠だ。人が生きていく上で必要な食料を生産する人間の根幹産業であることに誇りに思えるように、経営確立に向けて行動していきたい。前を向いていけば必ずや道は拓ける、あきらめずに前進していきたい。


2008年5月25日号 第2820号
このひと
       全国農協青年組織協議会
                 会長 竹村英久 氏
 JA全青協の5月20日の通常総会で、竹村英久会長、小竹行哉副会長の新執行体制がスタートした。全青協では今年度を初年度とした3か年の中期活動計画で、組織基盤強化、食農教育強化、JA運営へ参画、情報ネットワーク充実を4本柱とした活動を展開することにしている。JA青年組織を牽引するリーダーに、これからのJA青年組織の活動を展望してもらった。