農水省は20日、同省で令和元年度鳥獣対策優良活動表彰式を開き、農林水産大臣賞の南会津町中荒井集落(福島/被害防止部門)と小諸市(長野/捕獲鳥獣利活用部門)のほか、農村振興局長賞の4団体・2個人を表彰した。
伊東良孝副大臣は「野生鳥獣による農作物の被害は6年連続で減少しているが、依然、農作物の被害は農家の経営意欲を失わせるきっかけになり、被害金額以上に農村に深刻な影響を与えている。我が国の農山漁村を美しく活力あるものとして次代に継承していくためには、各地域の実情に応じて知恵や工夫を凝らした被害対策に取組み、鳥獣被害に負けない地域づくりを進めることが極めて重要」「有害鳥獣の被害対策の推進で捕獲頭数が増加する有害鳥獣を地域資源と捉え、マイナスからの存在からプラスの存在へと転換をするジビエ利用の取り組みを政府としても推進している」等と述べた。
全国鳥獣被害対策サミットで講演、資機材・カタログ展示も
表彰式後に行われた「第7回全国鳥獣被害対策サミット」(主催=鳥獣管理技術協会)では、鳥獣対策優良活動表彰受賞者からの報告、鳥獣対策に係る意見交換や技術の実演展示等が行われた。サミットは「都市と農村をつなぐ―鳥獣対策への多様な関わり方」をテーマに設定。多くの農村が「担い手不足」という共通の課題を抱えているなかで、鳥獣被害を地方や農村だけの問題とせず、都市と農村の多様な関わりを通した鳥獣対策のあり方について全国の取組事例の発表、パネルディスカッションが行われた。講演・取組事例紹介を次の各氏が行った。▼宮川将人・稲葉達也(くまもと☆農家ハンター)▼興膳健太(岐阜県郡上市「猪鹿庁」)▼林利栄子(NPO法人いのちの里京都村)▼森真也(浜松地域鳥獣被害対策協議会)▼川森慶子(カレーハウスCoCo壱番屋FC/㈱アドバンス)▼藤原勝栄(長崎県五島市役所)。
また、会場では研究機関や関連企業等によるポスターセッション、資機材・カタログ展示が行われた。