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JA全農と農林中金がファミマへの資本参加で伊藤忠と基本契約書を締結

2020年7月9日

国産農畜産物の新たな物流・販売チャネル構築めざす

 JA全農と農林中金は8日、伊藤忠商事㈱との間で、伊藤忠がその子会社を通じて、㈱ファミリーマート(以下「ファミマ」)を対象とした株式公開買付けを含む非公開化取引(以下「本件取引」)を開始するにあたり、本件取引完了を条件に、全農及び農林中金がファミマに対して資本参加(全農・農林中金合計で4・9%。株式構成図は次頁)すること、全農・農林中金・伊藤忠及びファミマの間で業務提携を行うことについて、伊藤忠との間で基本契約書を締結した。

 伊藤忠では、今回のファミマ完全子会社化は、同社グループの総合力を活用したファミマのさらなる事業基盤の強化や新しいビジネスモデルの創出、新たな海外事業展開などの効果が期待できるとともに、伊藤忠グループの企業価値の向上も図ることが可能と認識したとしている。

 1株2300円で公開買付けを実施、買付け代金は約5808億円。買付け期間は7月9日から8月24日まで。公開買付けが成立後、全農と農林中金にファミマ株式を約570億円で譲渡する予定。

 全農、農林中金では、「この株式公開買付けは、伊藤忠・ファミリーマートがより一体となった上で、従来のビジネスモデルの継続に留まらず、新たなビジネスモデルへの転換など、市場環境の急激な変化に機動的かつ迅速に対応していくことで、ファミリーマートの企業価値向上につなげていくものと認識している」「ファミリーマートへの出資を通じて、これまで以上に国産農畜産物の販売を拡大するとともに、農業生産の拡大や、地域の活性化に取り組んでいく」としている。今後、4者で具体的な内容に関して協議の上、本件取引完了後に、4者による業務提携を展開、「それぞれの強みを活かしたシナジー効果の創出」を目指す。

 全農、農林中金は、「本件を通じ、我が国の農業生産基盤や地域のくらしを支えるJAグループと、広い販売・物流網を有する伊藤忠グループが連携する態勢を構築することで、相互の強みを高め、国産農畜産物の新たな物流・販売チャネル構築による消費拡大と農業所得の増大を目指す」「JAグループが持つ地域拠点の利便性向上・サービスの充実等につなげ、地域の活性化に向けた持続的な協業に取り組んでいく」「今回を機に、国内外に国産農畜産物の販売を幅広く展開する全農と、フードバリューチェーン強化に向けて積極的な資金投入を行う農林中金とが、相互の付加価値を強く結びつけることにより、JAグループが社会に役立つための役割を一層発揮できるよう取り組んでいく」とコメントしている。

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