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宇宙開発利用大賞農水大臣賞に国際航業の営農支援サービス『天晴れ』

2020年4月3日

宇宙開発利用大賞農水大臣賞に国際航業の営農支援サービス『天晴れ』


 内閣府主催の「第4回宇宙開発利用大賞」の農林水産大臣賞に国際航業㈱の「空から診る精密農業クラウド型営農支援サービス『天晴れ』」が選ばれた。宇宙開発利用大賞は、日本の宇宙開発利用のさらなる進展に寄与することを目的にした2年に1度開催されている表彰制度。内閣総理大臣賞をはじめ各関係府省の大臣賞など合計11の賞が設けられており、農林水産大臣賞は前回(平成29年度)から創設されている。

 国際航業の「空から診る精密農業クラウド型営農支援サービス『天晴れ』」は、人工衛星等から撮影したほ場の画像を解析し、農作物の生育情報を診断して農業者等に通知するサービス。農業生産現場に必要なタイミングでの画像調達が容易でなく、調達金額が高額であることが、リモートセンシング技術の農業分野への導入課題とされてきたが、『天晴れ』は複数の地球観測衛星群での観測体制を構築するとともに、サービス体系をクラウド型システムとすることで、撮影から解析・レポート配信までの時間を短縮し、準リアルタイムでの情報配信環境を構築した。選考委員会によれば、農業ICTベンダー、農機メーカーとの様々な連携により、農業者のニーズに即した営農支援サービスをトータルで提供するとともに、衛星利用のコスト軽減を図るなど、意欲的な現場実装の取組を評価。同サービスは、経験の浅い農業者の営農管理や新規就農の後押しになるものと期待される、としている。

 3月24日、農水省で農林水産大臣賞受賞者の表彰が行われ、河野義博農林水産大臣政務官から国際航業の土方聡社長に表彰状とトロフィーが授与された。土方社長は会社の事業概要などを紹介、『天晴れ』について、「農業省力化、スマート農業などに対し、我々の空からの技術、宇宙から見る技術などを使ってもらおうとスタートした。近年、ユーザーが増え、JAや大手のメーカーなどとも連携して、アドバイスやニーズに一所懸命取り組みながら、営農支援として展開している」と述べ、「今後は海外に向かっても、日本発のスマート農業に対し、技術がしっかりしたサービスを提供していきたい」と語った。

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