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全農が安川電機との業務提携に基づく農業分野自動化の取組を加速

2021年8月18日

 JA全農(野口栄代表理事理事長)は17日、㈱安川電機(本社=福岡県北九州市、小笠原浩代表取締役社長)との業務提携契約にもとづき、ロボット技術の応用による農業分野の自動化への取組を加速することを確認したと発表した。

 全農と安川電機は、全農のメインバンクである農林中央金庫と安川電機のメインバンクであるみずほ銀行の協力を得て、2018年から協業の検討を開始。同年12月には業務提携契約を締結し、①畜産、②農業生産、③流通販売の3分野において自動化技術の可能性を検討してきた。

 現在、全農が持つ「ゆめファーム全農SAGA」(佐賀県)におけるきゅうりの葉かき作業の自動化などの実証を進めている。また、2021年度からは安川電機グループの技術開発拠点である安川テクノロジーセンタを活用し、いちご選果作業の自動化等、新たなテーマによるスマート農業の具体化も進めている。

 全農と安川電機では業務提携による農業分野自動化への取組加速について以下のように説明している。

▼全農…現在、日本の農業は農業就業者の減少や高齢化に加え、新型コロナウイルス感染症の影響により、海外からの人材や、都道府県をまたいだ人の移動が制限され、労働力不足が深刻な問題となっている。また2030年に向けて国連の定めるSDGsや農水省が策定した『みどりの食料システム戦略』にある持続可能な社会と農業の実現も求められている。このような環境下で、業務提携の基本理念(前頁枠内参照)はその重要度を増しており、これまでの取組をさらに加速する必要があることを両者で確認した。安川電機はサーボモーター、インバータ、産業用ロボット等で世界トップのシェアを誇る企業である。全農は世界最高の自動化/最適化の技術力を持つ安川電機とのパートナーシップに大きな可能性を感じている。協業を通じて農業分野の新たな自動化を具現化し、日本農業の発展と日本の食と農の国際競争力強化に貢献する。
▼安川電機…JA全農は日本農業界の代表であり、農作物の生産・流通・販売の全てにおける全国の農業関係者の声を集め、次の時代の農業の在り方についての知見と今後の目指すべき日本の農業の在り方を具体的に描いている。一方、当社は2025年ビジョンの主な戦略として、工場の自動化/最適化、そして、メカトロニクスの応用領域への挑戦を掲げているなかで、100年にわたり培ってきた技術を食品生産・農業分野の自動化の促進に活用する活動を推進している。業務提携の基本理念を共有し、JA全農と協同で農業分野の新たな自動化を探究し、具現化していく。

【全農と安川電機の業務提携の基本理念】工業用ロボット技術の国内農業現場への活用推進を行い、農業生産・加工・流通現場における労働力不足の解消、現場労働の作業軽減と効率性の向上、ならびに消費市場への安全・安心な農畜産物の供給体制の強化に向けた新たな事業モデルを構築

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