「新品種の流出防止」「地域農業の活性化へ」と農相
農水省は9日、改正種苗法が4月1日に施行されたことに伴い、海外持ち出しを制限する登録品種を発表した。シャインマスカット(ブドウ)、ゆめぴりか(稲)、あまおう(イチゴ)など、農研機構、国際農研、森林機構および、42道府県から届出された1975品種(うち既登録品種1702、出願中品種273)が対象。これにより、新品種の流出を防ぐ。
改正種苗法により、出願者が品種登録出願時に、「①UPOV条約加盟国であって、品種の保護が適正に行われる国を『指定国』として指定し、②指定国以外の国への種苗の持ち出しを制限する」旨の利用条件を農水省に届け出ることで、登録品種の国外への持ち出しを制限できるようになった。農相は当該品種の出願公表および登録の公示と同時に、届出された利用条件を公示する。種苗業者は、登録品種の種苗を譲渡する際に「①その種苗が品種登録されている旨、②海外への持ち出しに制限がある旨」の表示を種苗又はその包装に付することが義務となる。また経過措置として、輸出の行為に係る制限の届出は、3年9月末までに限り、既存の登録品種および出願中の品種についても届出を受け付ける。
野上農相は9日の会見で「本日公示した以外の品種についても届出内容を確認をし、今後順次、公示をしていくこととしている。海外持出しが制限された品種については税関とも情報共有を図ること等により、我が国の強みである新品種の流出を防ぎ、地域農業の活性化につなげていきたい」と語った。