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全農とBASFが4月に栽培管理支援システム「ザルビオ」のサービス開始

2021年3月22日

全農とBASFが栽培管理支援システム「ザルビオ」のサービス開始

Z―GISと連携、AIで圃場毎に生育や病害発生予測し作業適期を通知

 JA全農BASFデジタルファーミング社は4月1日から、AIを活用して作業の適期を知らせる栽培管理支援システム「xarvio FIELD MANAGER」(ザルビオ フィールド マネージャー 以下、ザルビオ)の日本におけるサービス提供を開始する。同時にザルビオと全農の営農管理支援システム「Z―GIS」のデータ連携も開始する。対象作物は水稲と大豆で、将来の拡大も予定している。

 ザルビオの特長は、AIが学習した過去の栽培データ・生育モデルや、気象データ・衛星からの圃場解析データをもとに生育予測や病害発生予測を行い、水管理や追肥、防除・雑草管理、収穫の適期を通知・提案する機能。栽培管理の最適化を支援するほか、適時・的確な防除とドローンやGPS利用の可変散布機により農薬・肥料の使用量低減が可能になる。また作物の播種から収穫までの栽培・作業情報を圃場単位で管理・記録し、オペレーターへの作業指示や実施した作業の確認も行える。

 パソコン、タブレット、スマートフォンで利用する。料金体系は、圃場を登録し作業記録や天気情報などが使える無料プラントと、より高度な機能が使える有料プランがある。有料プランは、クレジットカード払いの場合が年間1万2千円、請求書払いが1万5千円。登録する圃場数が101圃場を超えた場合、100圃場毎に追加料金5千円、2千圃場以上は同一料金。今年7月末まで有料プランを無料で提供する。

 同サービスは世界16か国、500万haの農地で使用されている。アジア太平洋地域では日本が初めてのサービス開始になる。

 全農は「Z―GISとの連携で営農の全体状況を精密かつ効率よく把握でき、今後はドローンやGPSナビ付トラクター、収量コンバインなど農業機械との連携を拡大させ、多くの生産者にスマート農業を実現するサービスを提供することをめざす」とコメントする。BASFは「JA全農と協業することで日本の営農体系に適したものに適宜改良し、デジタル技術を活用し生産者の生産性向上を図ることを目指していきたい」としている。

 また、4月1日に「どうすれば農業はもっと効率的になるのか?」のテーマで、ザルビオの紹介と昨年に試用した生産者インタビュー、ディスカッションを行うオンラインセミナーを開催する。


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4月1日にザルビオ フィールド マネージャーのオンラインセミナー

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