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牛草大臣官房審議官〔国際〕がOECD農業委員会の議長に、アジアから初選出

2020年11月12日

 農水省の牛草哲朗大臣官房審議官〔国際〕が、経済協力開発機構(OECD)農業委員会の議長に選出された。農水省によると、10日行われたOECDの第175回農業委員会(オンライン)で全会一致により、牛草氏が2021年の同委員会議長に選出されたもので、日本人が議長に就くのは初めて。アジアからの議長就任も初。

 牛草氏は、東大農卒、1987年入省。大臣官房食料安全保障課食料自給率向上対策室長、大臣官房国際部国際経済課上席国際交渉官、同部同課長、生産局農産部貿易業務課長兼政策統括官付、2018年7月から大臣官房審議官〔国際〕。1962年生れ。

 議長任期は、2021年1月1日からの1年間。日本ではこれまでも、国内のスマート農業の取組やコロナ禍での経験の提供等を通じてOECD農業委員会の先駆的な取組に貢献してきたが、引き続き、世界の農業政策の協調に向けて、同農業委員会での取組を主導していく。

 牛草氏のコメント「OECDというと、PSE(生産者支持推定量)など保護が高いということだけが報道されがちだが、特に最近は、農業を他産業の知恵を使ってどうイノベーションしていくか、様々な災害に対しレジリアンスのある食料サプライチェーンをどうしていくのか、など先進的な議論をしている。昨年はG20の大臣会合でそのような議論を日本側から提起していた。各国の知見を共有し、意見交換をしながら良い議論が出来、それが各国の農業政策に少しでも役立つことに微力ながら貢献していきたい」。

【OECD農業委員会】OECDは、先進諸国を中心に政策協調やルール作りを目的として1961年に設立された国際機関。同農業委員会では、加盟各国の農業政策の分析が行われており、近年では、デジタル技術の農業への活用や農業イノベーションの推進、農業が環境に与える影響など、各国において重要性を増している新たな課題に関する分析や政策提言を行っている。特に、今年に入ってからは、新型コロナウイルス感染症拡大が世界の食料サプライチェーンに与える影響の分析等に取り組んでいる。こうした分析結果は、G7やG20など各種国際会議でも引用され、注目度が高い委員会。

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