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通常国会が閉会、農水省提出法案は4法が成立

2020年6月18日

 第201通常国会が17日閉会した。

 農水省は、「家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案」「家畜改良増殖法の一部を改正する法律案」「家畜遺伝資源に係る不正競争の防止に関する法律案」「種苗法の一部を改正する法律案」「森林組合法の一部を改正する法律案」の5法案を提出したが、「種苗法改正案」の成立が見送られた。

 ▼改正家畜伝染病予防法…家畜防疫を的確に実施するため、新たに家畜以外の動物における悪性伝染性疾病のまん延による当該伝染性疾病の病原体の拡散防止に係る措置、都道府県知事による飼養衛生管理基準の遵守に係る是正措置の拡充、患畜等以外の家畜の殺処分制度の対象となる家畜伝染病の追加、輸出入検疫に係る家畜防疫官の権限の強化等の所要の措置を講ずる。
 ▼改正家畜改良増殖法…家畜人工授精用精液等の保存等に関する規制の強化、特にその適正な流通を確保する必要がある家畜人工授精用精液等について容器への表示等の規制を整備する等の措置を講ずる。
 ▼家畜遺伝資源不正競争防止法…家畜遺伝資源の生産事業者間の公正な競争を確保するため、家畜遺伝資源に係る不正競争の防止及び不正競争に係る損害賠償に関する措置等を講ずる。
 ▼改正森林組合法…森林組合の経営基盤の強化を図るため、組合間の合併以外の多様な連携手法の導入、正組合員資格の拡大、事業の執行体制の強化等の措置を講ずる。

改正森林組合法
【組合間の多様な連携手法の導入】①森林組合及び森林組合連合会の主要事業である販売事業等を譲渡するには総会の決議又は特別決議を経る必要がある旨を規定する。②森林組合又は森林組合連合会がその事業を分割して他の森林組合又は森林組合連合会に承継させることを可能とする、吸収分割の制度を導入する。③2以上の森林組合又は森林組合連合会がそれぞれの事業を分割して新たに設立する森林組合連合会に承継させることを可能とする、新設分割の制度を導入する。
【正組合員資格の拡大】森林所有者である個人と同一の世帯に属する者のうち当該個人から指定を受けた一人については正組合員となることができる旨の規定について、「同一の世帯に属する者」を「推定相続人」に改めるとともに、指定を受けることができる人数の上限を設けないこととする。
【事業の執行体制の強化】①販売事業を実施する森林組合及び森林組合連合会に対し、販売事業等又は法人の経営に関し実践的な能力を有する理事を1名以上配置することを義務付ける。②理事の年齢・性別に著しい偏りが生じないよう配慮すべき旨の規定を追加する。③森林組合及び森林組合連合会が事業を行うに当たっては、「森林の有する公益的機能の維持増進を図りつつ、林業所得の増大に最大限の配慮をしなければならない」旨を明記する。

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