農水省は27日、令和2年度のバター及び脱脂粉乳の輸入枠数量を検証し、脱脂粉乳の輸入枠数量を4000tから750tに見直すと発表した。農水省によれば、バター及び脱脂粉乳の国家貿易による輸入枠数量について、1月に今年度全体の輸入枠数量(バター2万t、脱脂粉乳4千t)を示し、5月及び9月に検証を行うこととしている。
それによると、新型コロナウイルス感染症による学校給食の休止や生クリーム等の業務用乳製品の需要減退にともなって、保存の利くバター及び脱脂粉乳の生産が増大。バターについては、2年3~4月の生産量が前年同月比131・6%と増えているものの一部の店頭で家庭用バターの欠品がみられることから、年間の枠数量2万tは維持するとした。
脱脂粉乳については、同114・9%と増加しており、緊急事態宣言が発令されている4~5月について、高水準の生産が継続すると仮定すると、脱脂粉乳の生産量は3千t強増えると見込まれることから、2年度の輸入枠数量は、4千tの枠数量から3千t強引き下げ、750tとした。
なお、バターの欠品について農水省では、乳業メーカーは、店頭やネット販売で業務用ポンドバターの販売量を増やしていることから、バターの供給は増える見通しであり、欠品状況は徐々に改善に向かうものと見込んでいる。