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経常利益1229億円、純利益920億円=農林中金決算

2020年5月28日

「引き続き農林水産業の現場に寄り添った対応を」と奥理事長

農林中央金庫の奥和登代表理事理事長と大竹和彦代表理事専務が2019年度決算概要等について会見した。 農林中央金庫は27日、2019年度決算概要等について、奥和登代表理事理事長大竹和彦代表理事専務が記者会見して明らかにした。

 2019年度決算〔連結〕は、経常利益は率で前年度比1・3%減、金額では16億円減の1229億円、純利益は11・1%減、115億円減の920億円の減益決算となった。

 奥理事長は2019年度決算について「昨年の年央ぐらいから、とりわけアメリカを中心に金融政策は低下の方に動いていき運用収益も下がってくる中、一方で調達コストも下がるという相打ちの内容だ」と説明、同決算において新型コロナウイルスによる減損や引当の影響はほぼ皆無であるとした。

 さらに今後の財務運営に関して「非常に不確実性が高く、実体経済、あるいはそれを反映した金融マーケットがどのくらい動くのか、それらが金融システムにどう影響を及ぼすのか、はたまた金融システム外のいわゆるシャドーバンキングまで影響するのか、様々なプランデータが錯綜する中での財務運営ということになる」「有価証券の評価益も活用しながら、いかに財務運営を行っていくかが肝になる。中期経営計画(2019~23年度)で掲げている『経常利益1000億円程度から、1800億円以上への積み上げを目指す』ということに関わっても、とりわけ1000億円の壁は強く意識しながら、財務運営をしてまいりたい」と述べた。

 連結決算(連結対象会社・法人は農中信託銀行、協同住宅ローンなど16社、持分法適用関連法人は7社)では、経常利益は前年同期比1・3%16億円減の1229億円、純利益は同11・1%115億円減の920億円となった。経常収益は同10・8%1876億円減の1兆5445億円、経常費用は同1859億円減の1兆4216億円となった。

 また、単体決算では、経常利益は0・8%9億円減の1165億円、純利益は11・1%111億円減の894億円となった。単体の総資産は前年度末比で7732億円減の103兆4035億円、純資産は2070億円減の7兆1748億円となった。 調達面では、預金等が前年度末比1兆4134億円減の66兆4316億円となり、農林債は4697億円減の7844億円となっている。運用面では、貸出金は前年度末比1兆4458億円増の20兆588億円、有価証券は同1兆1254億円減の54兆5332億円だった。

 有価証券等の評価損益は、前年度末比2771億円増の2兆3471億円の評価益となった。

自己資本比率は23・02%と高水準を維持

 また、〈連結〉の総自己資本の額は8兆6003億円。総自己資本比率は23・02%(2019年3月末=19・65%)、中核的な自己資本比率であるTier1比率は23・02%(同19・65%)、普通出資等Tier1比率は19・49%(同16・59%)。

 また、記者会見で奥理事長は、新型コロナウイルスへの対応について以下のような見解を示した。
 ○…健康面で非常に深刻な影響を受けられた方々にお見舞い申し上げるとともに、特に医療従事者の方々には大変厳しい環境の中で、大変なご尽力いただいていることに、心から感謝申し上げたい。農林水産業にも多大な影響を及ぼしており、我々は影響を受けられた皆さん方の相談や金融対応に万全を期していく必要がある。
 ○…農林水産業の現場において、とりわけイベントの中止や学校給食の停止、(農作業を担う)外国人労働者の不足、高級食材の値崩れなど、農林水産業の皆さんは大変厳しい状況となっている。政府の緊急対策にある「足元の緊急対策」「収束後の回復期の対策」「アフターコロナといわれる安定期の対策」という3つのステージを十分に意識しながら、金融含めそれが目詰まりすることなく、現場の農林水産業の皆さんのところにきちんと届くように、最大限、意を配りながら運営していくことが肝要ではないかと思っている。
 ○…収束後、回復期等においては、生産から消費、食卓までをどうつなげていくかという観点での取組み、アフターコロナ、安定期においては、強い農業、頑健な食料の調達、サプライチェーンをどう作っていくかという観点からの取組みが極めて重要だ。いわゆる、つなぎ融資だけではなく、出資、エクイティーでも活用があると思うし、改めて金融にとどまらない様々な関係者を繋ぐという取組みの重要性を認識している。そのような取組をこれから一つ一つ積み上げていくことが大切だと考えている。

 さらに、奥理事長は策定から一年が経過した「中期経営計画」の目玉の一つとされている「人員リソースの再配置」についても言及、「400名規模の要員、リソースを会員の皆さんの近いところで働くということについては、概ね昨年度で間接的なところも含めて8割程度再配置が終わり、実を上げていくというフェイズだと認識している。引き続き農林水産業に対して、しっかりと現場に寄り添った対応を行えるよう取組んでまいりたい」と強調した。

参考
経常利益860億円、純利益681億円=農林中金半期決算

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