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経常利益860億円、純利益681億円=農林中金半期決算

2019年11月22日

「下期も厳しい環境、財務運営は慎重を期す」と奥理事長

 農林中央金庫は21日、2019年度半期決算を奥和登代表理事理事長と大竹和彦代表理事専務が記者会見して明らかにした。

 2019年度半期決算〔連結〕は、経常利益は率で前年同期比26・6%減、金額では311億円減の860億円、純利益は20・6%減、176億円減の681億円の減益決算となった。

 減益要因について奥理事長は「運用利ざや、投資スプレッドの縮小に尽きる。昨年度はアメリカの金利を含めて上昇してきた。従って調達コストが増加する一方で、運用については米国債の利回り低下に代表されるように運用利回りが下がってきている。自己資本比率は、足元の債券評価益等がかなり増えていることも踏まえ、Tier1比率は3月末対比で1・54%ポイント改善して21・19%になった。下期も非常に不確実性の高い、運用環境としては厳しい環境が続いていくものと思っているが、財務の運営について慎重を期して運営してまいりたい」と説明した。決算の概要は以下の通り。

 連結決算(連結対象会社・法人は農中信託銀行協同住宅ローンなど16社、持分法適用関連法人は7社)では、経常利益は前年同期比26・6%311億円減の860億円、純利益は同20・6%176億円減の681億円となった。経常収益は同8・8%801億円減の8308億円、経常費用は490億円減の7447億円となった。

 また、単体決算では、経常利益は27・1%314億円減の844億円、純利益は20・6%178億円減の687億円となった。単体の総資産は前年度末比で2兆3029億円増の106兆4797億円、純資産は3015億円増の7兆6834億円となった。 

 調達面では、預金等が前年度末比4369億円増の68兆2821億円となり、農林債は2464億円減の1兆77億円となっている。運用面では、貸出金は前年度末比5802億円増の19兆1932億円、有価証券は同2338億円減の55兆4248億円だった。

 有価証券等の評価損益は、前年度末比7215億円増の2兆7915億円の評価益となった。

 自己資本比率は21・19%と高水準を維持  また、〈連結〉の総自己資本比率は21・19%(2019年3月末=19・65%)、中核的な自己資本比率であるTier1比率は21・19%(同19・65%)、普通出資等Tier1比率は18・09%(同16・59%)。

 記者会見で、奥理事長は「JAバンク・JFマリンバンクの状況」、今年度からスタートしている「中期経営計画」について以下のように発言した。

 【JAバンク・JFマリンバンクの状況】JAバンクでは代理店等を含めて信用事業運営体制をそれぞれのJAでどのようにするかを5月末までに決めることになっていたが、その結果は8月にホームページで公表している。5月末時点で613JAのうち信用事業譲渡等を決定・選択したのは5JAであった。残りのJAは合併や単独で経営基盤強化をしながら総合事業で今後の運営を継続していくという決定を頂いた。このように総合事業の継続を選択するJAが多いが、金融機関、信用事業をとりまく環境は非常に厳しい。したがってさらに効率的な運営が求められると認識している。このためJAグループでは、年度内を1つの目標に置いているが、経済事業を含めた収支改善や店舗等の再編効率化などを柱に信用事業の効率化、見直しを進めている。一方マリンバンクについては、漁業金融の強化、効率化の観点から、広域信漁連の取り組みを進めている。10月7日に東日本で1都11県の信漁連が東日本ブロック広域信漁連合併推進協議会を立ち上げた。この後、西日本、九州についても同様の動きがあると思っている。農林中央金庫としても、浜の金融維持・発展に向けて、しっかりとこれをサポートしていきたい。
 【中期経営計画】農林中央金庫は今年度から中期経営計画がスタートしている。とりわけその中で、農林中金自身の業務の効率化として、5年間で600名の人員を再配置してそのうち400名位は会員のところに業務改善のお手伝いをしようという計画である。9月末時点で会員のところに約270名位の配置をすすめている状況だ。

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