自民党の茶業振興議連(森山裕会長)は13日、農水省に高収益作物次期作支援交付金の弾力的運用等を求める、茶業生産の持続・発展に向けた緊急要請を行った。森山会長が要請書を江藤拓農相に手渡した。
日本の伝統作物であるお茶の生産は近年極めて厳しい状況にあるが、関係者の努力により、輸出を中心に将来への明るい展望が開けてきた矢先、新型コロナウイルス感染症まん延防止対策として政府から緊急事態宣言が発令。茶業生産において7割以上を占めると言われている一番茶時期に重なり、百貨店等の販売促進が行われず、茶価低迷に追い打ちをかけている。こうした状況を踏まえ、茶業生産の持続・発展に向け、高収益作物次期作支援交付金の弾力的運用及び所要予算の確保を求めた。
森山会長は「ずっと茶価が下がり続けており、大変厳しい。再生産の意欲を失うくらい現場が追われている。なんとか再生産をと思ってもらえるような施策をお願いしなければいけない」と訴えた。江藤農相は「精一杯、補正については頑張ったつもりだが、事態が進行するにつれて深刻さが日に日に増している」と語った。
なお、「高収益作物次期作支援交付金」は、新型コロナ感染症発生により卸売市場での売上げが減少する等の影響を受けた野菜・花き・果樹・茶等の高収益作物について、国内外の新たな需要等に対応するため、直接販売や契約栽培、輸出に向けて販路の転換又は拡大に取り組む農業者に対して、次期作における資材や機械の導入等の生産活動に対する支援や、輸出等の新たな需要確保に向けた新技術導入、海外の残留農薬基準への対応等の取組に対する支援を行うもの。
「高収益作物次期作支援交付金の弾力的運用及び所要予算の確保」
▼需要対応生産支援の要件緩和…高収益作物次期作支援交付金において支援の対象となる取組み項目について、多くの茶農家が取組み易くなるよう、柔軟に運用する事。高収益作物次期作支援交付金実施要領に於ける取組みを一つにする事
▼5月以降出荷茶農家へも、確実な支援を確保する事
▼高収益作物次期作支援交付金の所要予算額確保
生産者及び生産団体は、政府の用意するセーフティーネットへの加入を真剣に検討するとともに、生産者団体はその取組みを確実に実施する。