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鳥インフルエンザに関する特定家畜伝染病防疫指針を変更へ=農水省

2020年5月15日

 農水省は「高病原性鳥インフルエンザ及び低病原性鳥インフルエンザに関する特定家畜伝染病防疫指針」について変更する。

 特定家畜伝染病防疫指針は、家畜伝染病予防法に基づき、最新の科学的知見及び国際的動向を踏まえ、少なくとも3年ごとに再検討を加え、必要に応じてこれを変更するものとされている。今般、日本における豚熱(CSF)の発生やアジア地域におけるアフリカ豚熱(ASF)の断続的な発生等を踏まえ、改正家畜伝染病予防法が公布され、「関連事業者の責務」「都道府県知事の家畜の所有者に対する飼養衛生管理基準の遵守についての緊急的な勧告・命令」「野生動物で悪性伝染性疾病の感染が確認された場合における、発見された場所等の消毒、通行制限、周辺農場等に対する移動制限」の規定等が新たに追加された。このため、これらの内容について具体的な運用方法を整理し、「高病原性鳥インフルエンザ及び低病原性鳥インフルエンザに関する特定家畜伝染病防疫指針」について所要の整備を行うもの。

 具体的な変更点は、第1章「基本方針」では、▼家きんの所有者は、飼養している家きんの伝染性疾病の発生を予防し、そのまん延を防止することについて第一義的責任を有しているため、必要な知識及び技術の習得に努め、家きんの飼養衛生管理等の措置を適切に実施しなければならない旨を明記、▼都道府県は、家きんの所有者への必要な情報の提供に努めるとともに、発生時に備えた準備を行うことに加え、特に飼養衛生管理基準の遵守状況の指導に留意して、高病原性鳥インフルエンザ及び低病原性鳥インフルエンザの発生予防を徹底する旨を明記、▼飼料の製造・販売業者、廃鶏取扱業者、死亡鳥取扱業者、食鳥処理場、集卵業者、GPセンター等の関連事業者は、消毒等の病原体の拡散を防止するための措置を講じるとともに、地方公共団体が行う発生予防及びまん延防止のための措置に協力する旨を明記。また、▼発生時には、迅速かつ的確な初動対応により、まん延防止措置及び早期終息を図ることが重要であり、特に、患畜又は疑似患畜が確認された農場における迅速な患畜及び疑似患畜のと殺、その死体等の処理及び消毒に加え、疫学調査による疫学関連家きんの特定が非常に重要である旨を追記する。

 このほか、第2章「発生予防対策」、第3章「まん延防止対策」の所要の変更が行われる。

 同省では6月11日まで、パブリックコメントを募集するとともに、都道府県知事からの意見聴取及び食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会からの意見聴取を実施した後、速やかに変更(7月1日)する予定。

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