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農水省が「みどりの食料システム戦略」を決定

2021年5月13日

農水省が「みどりの食料システム戦略」を決定


 農水省は12日、野上農相を本部長とする「みどりの食料システム戦略本部」の第3回会合を開催し、『みどりの食料システム戦略~食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現』を決定した。

 「みどりの食料システム戦略」では、2050年までに目指す姿として、①農林水産業のCO2ゼロエミッション化の実現、②化学農薬の使用量をリスク換算で50%低減、③化学肥料の使用量を30%低減、④耕地面積に占める有機農業の取組面積を25%、100万haに拡大、⑤2030年までに持続可能性に配慮した輸入原材料調達の実現、⑥エリートツリー等を林業用苗木の9割以上に拡大、⑦ニホンウナギ、クロマグロ等の養殖において人工種苗比率100%を実現、等を目標に設定。これらの目標の実現に向けて、調達から生産、加工・流通、消費における関係者の意欲的な取組を引き出すとともに、革新的な技術・生産体系の開発と社会実装に取り組んでいくこととしている。

 同戦略本部で野上農相は「本戦略は、生産力向上と持続性の両立を目指した、これまでにない新しい政策方針であり、生産者・事業者・消費者、それぞれの理解と共同の上で実現するものだ。まずは本戦略の考え方や方向性について、省をあげて丁寧な広報活動を進めてほしい。各種媒体を活用した分かりやすい情報発信や、本省・地方農政局等からの説明など、あらゆる機会を捉え、発信してほしい」「本戦略を踏まえ、政策手法のグリーン化や関連制度の見直しの検討、イノベーションの創出に向けた既存の優れた技術の横展開、革新的な技術・生産体系の研究開発の推進など、戦略の具体化を進めてほしい」「4月の米国主催の気候サミットで、菅総理から食料・農林水産業の生産力を向上させながら持続性を確保するためのイノベーションの実現に取り組む旨の発言があった。我々は国際的な議論の中で、アジアモンスーン地域の立場から本戦略を踏まえた新しい食料システムを提案していく必要がある。今回新たな意欲的な戦略を提示したことを、農水省職員一人一人がしっかりと受け止めて、省をあげて戦略の実行に全力を尽くしていきたい」と述べた。

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