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奥村組が「夏秋いちご」栽培・出荷・販売事業を開始

2021年5月12日

 ㈱奥村組(大阪市阿倍野区、奥村太加典社長)は、小諸倉庫㈱(長野県小諸市、篠崎友宏社長)と事業会社「㈱軽井沢いちご工房」を設立、夏秋いちごの栽培・出荷・販売事業を開始した。

 いちごは暑さに弱く、冬春期に収穫・出荷が集中するため、夏秋期には出荷量が極端に少なくなる一方、洋菓子店などの業務用を中心に年間を通して需要があるため、夏秋期は輸入品や冷凍いちごなどが主に流通している。

 奥村組では、今回の夏秋いちごの栽培・出荷・販売事業のスタートについて、「近年、国産農産品の需要が高まっていること、また夏秋いちごの品種改良が進んでいることに着目し、出荷量が少なくなる夏秋期に、冬春いちごと遜色ない高品質ないちごを安定的に供給することを目指して本事業に取り組むことにした」と説明している。

 既に、夏秋いちごの栽培に適した冷涼な高地である長野県軽井沢町内の耕作放棄地に農場を確保し、昨年5月から施設整備に着手、今年7月上旬には収穫・出荷を開始する予定。栽培品種は、農研機構東北農業研究センターが開発した「なつあかり」と信州大学農学部が開発した「信大BS8―9」の2品種。

 奥村組によると「いずれも冬春いちごに劣らない香りや甘みを持っている」ことが特長。「まずは安定栽培のノウハウを習得し、将来的には施設拡張により事業を拡大していきたい」「本事業を通じて、食料自給率の低下を背景とした国産農産品へのニーズや地産地消への取り組みのほか、地域における雇用の創出や地域ブランドの確立などによる地方創生に貢献するとともに、耕作放棄地の解消など農業分野における課題の解決に努め、持続可能な社会の実現を目指す」とコメントしている。

【軽井沢いちご工房】
○出資比率:奥村組51%、小諸倉庫49%
○圃場規模:7.2m×46mの農業用ビニールハウス4棟
      高設ベンチ6列/1棟、灌水系統2系統
○想定収穫量:「なつあかり」1.5t、「信大BS8-9」2.0t

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