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北陸電力、大気社、農林中金が植物工場事業の新会社設立

2021年4月16日

今冬に業務用レタスをコンビニ・飲食店へ出荷、JA通じ提供も

 北陸電力㈱(富山県富山市、金井豊代表取締役社長 社長執行役員)、㈱大気社(東京都新宿区、加藤考二代表取締役社長 社長執行役員)、農林中央金庫(東京都千代田区、奥和登代表理事理事長)は15日、植物工場事業を行うための新会社「㈱フレデリッシュ」(福井県敦賀市、岡義仁代表取締役)を今年3月に設立したと発表した。資本金は2000万円、出資比率は北陸電力61%、大気社34%、農林中金5%。

 農業従事者の減少や天候不順による野菜の生育不良などの農業が抱える課題への対策の一つとして、屋内で水耕栽培を行う完全人工光型植物工場が注目されている。

 「地域の課題解決」「保有資源と新技術を融合した新たなサービス」を新たな成長事業の開拓分野と定め、電気を活用して野菜を育てることで新たな価値創出を目指す【北陸電力】と、植物工場のプラント建設から野菜の生産・販売まで一貫したソリューションの提供を目指す【大気社】、北陸地域の園芸農業の振興を通じた地域貢献を目指す【農林中金】の三者が一体となって事業を行う。

 またSDGsの達成にむけて【北陸電力】は効率的なエネルギーの利用と設備維持管理のノウハウ、【大気社】は植物工場の設備に関する高い技術力と豊富な実績、【農林中金】は食農ビジネスを通して培った幅広い知見を持ち寄り、環境負荷の少ない持続可能な工場運営を目指す。 新会社では、大気社が開発する最新の空調設備や高効率LEDを用いた植物工場システム「ベジファクトリー」を導入、「Puri菜(ぴゅりな)」()ブランドのレタスを安定して生産する。

 今年冬頃から業務用としてコンビニエンスストアや飲食店に出荷するほか、JAを通じて提供する計画。また、将来的にはレタス以外の野菜の生産も行う予定。

 北陸電力、大気社、農林中金の3者は「植物工場事業を通じて、食料の安定供給をはじめとする社会課題の解決に取り組んでいく」とコメントしている。

*《Puri菜》ベジファクトリーで育てられた野菜に称するブランド名。室内の光、温度、湿度、養液、二酸化炭素などを完全に制御した環境で育てることで、生菌数が圧倒的に少なく、鮮度が長持ちするため、食品ロスの削減に貢献することができる。

ロゴマークと社名の由来
Fresh(新鮮)と Delish(美味しい:デリシャスのカジュアルな表現)のそれぞれの言葉を足し合わせた言葉を社名に。ロゴマークは頭文字の「F」と「D」で瑞々しい葉をかたどり、レタスを表現している。美味しい野菜を栽培し、豊かな食と生活の提供を目指す。

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