日本農業の発展と農業経営の安定、農村・地域振興、安心・安全な食料の安定供給の視点にこだわった報道を追求します。

アグラボ、農林中金等がスタートアップ企業と実証実験を開始

2021年3月5日

JR東グループと農業データ活用、農業経営と地域の発展へ向け連携

 一般社団法人AgVenture Lab(荻野浩輝代表理事)と農林中央金庫(奥和登代表理事理事長)、JR東日本スタートアップ㈱(柴田裕代表取締役)は、栽培・生産の農業データ活用に特化した情報基盤『RightARM』と経営分析サービスを提供するテラスマイル㈱(宮崎県児湯郡新富町、生駒祐一代表取締役)と協業し、農業法人㈱JRとまとランドいわきファーム(福島県いわき市、元木寛代表取締役)でデータを活用した農業経営の効率化に関する実証実験を開始する。

 農業の現場では、データのデジタル化や規格整備が不十分、データが各所に点在するといった問題から、データ活用が進んでいない状況。データを活用できるようになると、今まで熟練の農家の勘に頼っていた農業生産において、施策の効果検証と改善を合理的に行えるほか、収穫時期や市場価格の予測によって生産の効率化が期待され、また、データの活用により農業経営の見える化が進むと、金融機関からの安定的な融資、効果的なアドバイスを受けやすくなり、農業経営の後押しにもつながる。

 今回取り組む実証実験は、センサーや帳票、市場価格等の各種データをテラスマイルの『RightARM』を通じて一元化したうえで分析を行い、生産効率化に向けた施策を実施する。『RightARM』でその後のモニタリングも行い、必要な追加施策を実施しながら、高速で効果検証を回すことによって得られる収益改善効果を確認。農業経営の高度化を目指すとともに、農業経営の発展を促進させるサービスの開発、農業所得向上による地域活性化を目指す。

 農業データの一元化や分析のノウハウをもつテラスマイルが、AgVenture Labが運営する指名型JAアクセラレータープログラム「Plant&Grow」とJR東日本スタートアップが運営する「JR東日本スタートアッププログラム」の支援を受け、農林中金等のJAグループ、JR東日本スタートアップ等のJR東日本グループと連携しながら、農業法人におけるデータ活用による効果を検証する。

《JR東日本スタートアッププログラム》ベンチャー企業や様々なアイディアを有する人たちから、駅や鉄道、グループ事業の経営資源や情報資産を活用したビジネス・サービスの提案を募り、ブラッシュアップを経て実現していくプログラム。2017年度に初めて開催し、今回までに合計81件の提案を採択、鉄道事業やIT事業など幅広い分野の実証実験を行い、一部の取り組みは実用化している。内閣府主催の2018年度第1回オープンイノベーション大賞で、経済産業大臣賞を受賞。

《JAアクセラレーター》「食と農とくらしのイノベーション」をキャッチコピーとして、革新的なアイディアや技術をもったスタートアップ企業を短期間で集中的に成長支援し、新ビジネス・サービス開発につなげるためのプログラム。現在、JAグループの持つ事業課題との親和性が高いテーマを設定し、選別的に指名した少数のスタートアップ企業を短期集中的に支援することを目的として新設したプログラム「Plant & Grow」で、テラスマイルを支援している。

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