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農水省が農業支援サービスの普及等でシンポ、JA三井リース等が取組を紹介

2021年3月2日

 農水省はこのほど、「農業支援サービス事業の育成・普及に向けたWEBシンポジウム、予算説明会」を開催した。農業現場における作業代行やスマート農業技術の有効活用による生産性向上支援等、農業者に対してサービスを提供することで対価を得る「農業支援サービス」に関して、先進的なサービスを提供する事業者およびその利用者の声を紹介するとともに、関連する事業者向けの予算説明が行われた。

 葉梨康弘農林水産副大臣は、農業現場を取り巻く様々な課題を指摘した上で「近年ではデータ分析やドローン散布等の作業受託、農業機械のシェアリング、農業現場への人材供給など様々なサービスが展開されつつある。これらのサービスが普及することによって農作業の全てを農業者が行う、農業機械を全て農業者が一式揃えるといった既存の農業体系が変化し、外部に委託したほうが得な場合はこれを積極的に活用することで担い手の金銭的・時間的負担を軽減し、販売戦略等に振り向ける時間の確保ができるのではないか」と提案した。

 事例紹介を、▼テラスマイル㈱(テーマ=データ分析サービス)、▼JA三井リース㈱(農業機械シェアリングサービス)、▼YUIME㈱(人材供給サービス)、▼㈱オプティムアグリ・みちのく(ドローンを活用した総合サービス)が行った。

 JA三井リースは、コンバインのシェアリングサービスを説明した。JAグループと共同で生産者の農機コスト低減や所得拡大を目的に、最新の6条刈自脱型コンバイン(ヤンマー)を作業時期の異なる3名の生産者でチームを組成、1台の農機を2年間、地域を越えたリレー方式でシェアする「全国版シェアリース」の取組みを展開している。現在、全国版シェアリースを維持しつつ、JAや生産者のニーズに合わせて、対象農機の選定や利用生産者数を自由に設定できる発展型の「ローカルシェアリース(地域内共同利用)」についても同社のネットワークを生かして取り組んでいくことが紹介された。なお、同社のサービスを使用した生産者からは、「最新性能のコンバインが利用でき、アワーメーターで管理されているので、時間を無駄にしないようにと効率的な作業を行うようになった」「従来、新車にはまとまった資金を用意する必要があったが、シェアリースの利用により、資金を心配する必要がなくなった」「保管場所も取らない上、保守点検費用もリース費用に含まれており、年間整備の必要がない」などの声が寄せられているという。

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