最優秀賞に日本農業㈱大西氏、㈱WONDERWOOD坂口氏
農水省は15日、農山漁村の地域資源を活かしたビジネスを対象としたピッチコンテスト「INACOME(イナカム)」ビジネスコンテストの決勝大会を開催した。昨年に引き続き2回目となる今回は、1月から2月にかけて東京・大阪・熊本・仙台の全国4か所で地方予選を行い、選抜された12社が決勝大会に進んだ。
15日には起業家によるプレゼンテーションが行われ、審査の結果、最優秀賞には日本農業㈱代表の大西千晶氏のビジネスプラン「農の入口と出口づくりで就農者を増やす!畑と人を繋ぐ『たんとスープ』で6次産業化」、㈱WONDERWOOD代表取締役の坂口祐貴氏のビジネスプラン「木を伐らない林業 林業2・0を人吉球磨から」が選ばれた
大西氏のビジネスプランは、就農者を増やし、経済だけでない新しい価値を生み出すことを理念とし大阪府・京都府で農場を運営している。人と地球の健康を考えながら、6次産業化として農家直営スープ専門店「たんとスープ」の多店舗展開に挑戦するとともにIoT土壌センターや堆肥研究のデータを活用することで就農者の増加を目指すもの。
坂口氏のビジネスプランは、林業の本質は「森林がお金を生んでいること」だと考えた時、森林を木材の母体として考えるのではなく、森林そのものが価値の母体になり得ることから、森林の中にツリーハウスの様なオフィスやミーティングルームをつくり「TREE OFFICE」という新しい働き方・新しい林業の形を提案するもの。
同省では、農山漁村地域が活力を取り戻し、持続的な発展を実現するためには、雇用と所得を生み出すことが重要であることから、地域の魅力的な資源を活用して多様なビジネスチャンスをつかみ、農山漁村の価値を高め、地域活性化に向けた起業支援として「INACOME(イナカム)」を実施しており、その一環として地域資源を活用したビジネスを対象としたピッチコンテストを開催した。
《INACOME》
農山漁村地域における起業は、多様な地域資源の活用による事業機会がある一方で、「気軽に相談できる人がいない」「地域との橋渡し役がいない」等の課題が指摘されている。
INACOMEは、起業者間の情報交換によるビジネスプランの磨き上げや、起業支援団体、地方自治体等からのアドバイスの提供等により、これらの課題を克服し円滑な起業を支援する。