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2年度食料自給率はカロリー37%と過去最低値=農水省

2021年8月26日

生産額ベースは豚肉、野菜等の生産額増加等で1Pt増の67%

 農水省は25日、令和2年度の食料自給率及び食料自給力指標を公表した。

 カロリーベース食料自給率は、前年度から1ポイント(Pt)減の37%となった(1人1日当たり供給熱量2269キロカロリーに対して1人1日当たり国産供給熱量843キロカロリー)。この数値は過去最低値。原料の多くを輸入している砂糖、でん粉、油脂類等の消費が減少し分母(1人1日当たり供給熱量)に影響する輸入熱量が減少したものの、米の需要が長期的に減少していること、小麦が特に作柄が良かった前年に比べて単収が減少したため。各品目の寄与度で見ると、国内消費仕向量が減少したでん粉は+0・2Pt、砂糖類は0・1Pt、油脂類は0・1Ptの寄与があった。一方、米は0・6Pt、小麦は0・2Ptのマイナスとなった。

 また、畜産物の生産が増加したことにより、品目別自給率(重量ベース、飼料自給率は反映しない)が、牛肉(前年度35%→36%)、豚肉(49%→50%)、鶏肉(64%→66%)、牛乳・乳製品(59%→61%)とそれぞれ上昇し、飼料自給率を反映しないカロリーベース食料国産率は前年度と同じ46%となった。

 生産額ベースの食料自給率は、前年度より1Pt高い67%となった(食料の国内消費仕向額15・4兆円に対して食料の国内生産額10・4兆円)。豚肉、鶏肉、野菜、果実等の国内生産額が増加したこと、魚介類、牛肉、鶏肉、豚肉等の輸入が減少したことなどによるもの。

 日本の食料自給率の推移をみると、米の消費が減少する一方で、畜産物や油脂類の消費が増大する等の食生活の変化により、長期的には低下傾向が続いてきたが、2000年代に入ってからは概ね横ばい傾向で推移している。なお、食料自給率は2年3月策定の食料・農業・農村基本計画で、令和12年度にカロリーベースで45%、生産額ベースで75%にするとの目標が定められている。

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