清水建設㈱、㈱みずほ銀行、農林中央金庫等は3月31日、シンジケーション方式のサステナビリティ・リンク・ローン(SLL)について、極度額を200億円とするコミットメントラインを設定したと発表した。サステナビリティ・リンク・ローンを活用した資金調達は建設業界では初めて。
このコミットメントラインは、急な資金需要に備えて設定するもので、みずほ銀行がシンジケーションを組成。サステナビリティ・リンク・ローンは、金利条件等の貸付条件と借り手のCSR戦略に対するパフォーマンス評価が連動した、持続可能な経済活動および成長を推進するローン形態。
今回のパフォーマンス評価は、シミズグループの「中期経営計画〈2019―2023〉」に掲げた非財務KPIの一つ「建設事業におけるCO2排出量(2017年度比)の削減率」の各年度目標の達成・未達が対象。清水建設が目標を達成すると、インセンティブとしてコミットメントラインの設定手数料が引き下げられる仕組み。清水建設は各年度のCO2排出量を集計し、みずほ銀行と第三者評価機関がそのパフォーマンスを評価する。3者のコメントは以下の通り。
《清水建設》今後、建設事業におけるCO2排出量を着実に削減し、長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」に掲げたサステナブルな社会の実現に寄与することで、企業価値を向上させ、SDGsの目標達成にも貢献していく考えです。
《みずほ》サステナビリティへの取り組みについて戦略との一体性を高め、グループ全体で推進しています。総合金融グループとして知見を活かし、脱炭素化を推進する事業への助言や資金調達支援をはじめ、多様なソリューションの提供に積極的に取り組んでいきます。
《農林中央金庫》清水建設のサステナブル経営にかかる中長期ビジョンの理念に共感し、環境・社会問題のうち、当金庫が重視している気候変動問題の解決に貢献するものと評価し、本件の対応に至りました。引き続き、投融資を通じて環境・社会課題の解決に貢献し、SDGsの実現をはじめとするサステナブル経営を推進してまいります。