大手住宅用建材メーカーの大建工業㈱(億田正則社長、大阪市北区)は、国産のバージン木材(針葉樹材)を原料に、独自の加工技術を施した木質培地「グロウアース」を開発し、21日から本格的な販売を開始した。同社が農業・園芸資材分野に参入するのは今回が初めて。
「グロウアース」は、鳥取県日南町産の木材チップを粉砕処理し、これに特殊加工を施すことで、野菜や花きの栽培に適した性能を付与した木材由来の培地。粉砕度合いで水はけ・水もちをコントロールすることが可能で、親水性に優れ、培地全体に水を浸透させる効果を発揮することが特長。開発にあたっては、同社が2017年に発売した土壌改良材(防風林の客土形成、法面への植生マット敷設等、土木・造園分野向け)の開発において培った木材加工技術を応用・発展させることで、製品化を実現した。針葉樹がもつ生育阻害物質を無害化する処理を施しており、従来の培地から「グロウアース」に切り替えることで、収穫量の増加、良品割合の増加、水はけ改善による水分管理手間の軽減、軽量化による作業負荷の軽減など、様々な効果を確認したという。
植物の栽培に適した環境にやさしく安心して使用できる新しい培地資材として、農業資材メーカーや、SDGsの達成に向けて積極的に取り組む企業を対象に提案する。2022年度に1億円の販売を目指す。
「グロウアース」の問い合わせは、大建工業国内事業企画部(TEL:03―6271―7799)へ。