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農林中金が産直アプリ運営のポケットマルシェに出資

2020年12月22日

生産者所得の向上、サステナビリティ課題解決めざす

 農林中央金庫(奥和登代表理事理事長)は21日、国内最大級の産直アプリ『ポケットマルシェ』を運営する㈱ポケットマルシェ(岩手県花巻市、高橋博之代表取締役CEO)に対して、「F&A成長産業化出資枠」(*)を通じた出資を行ったことを明らかにした。

 同社は、産直アプリ『ポケットマルシェ』を通じて、既存流通を補完する販売手段を生産者に提供することや、消費者に対して生産物の背景・適正な価値を伝えること、生産者と消費者の双方向的なコミュニケーションの場を提供することで、生産者と消費者の距離的・心情的な分断の是正を図り、「共助の社会の実現」に向けて取り組んでいる。

 農林中金では今回の出資について、「㈱ポケットマルシェの取組みが、生産者と消費者が結びついた強い農林水産業の実現、ひいては生産者の所得向上、農林水産業の担い手の生産意欲増大につながるものと考えている。本件を契機とし、当金庫のネットワークを活かした生産者の紹介等の連携を一層強化し、食を通じた地方と都市のつながり強化の一翼を担っていきたい」とコメントしている。また、今回の出資を通じて、農林水産業を取り巻くサステナビリティの課題である食品ロスの削減、各種資源保護、都市集中による地方衰退等の環境・社会課題についても、同社と継続的な連携・対話を行い、「農林水産業と食と地域のくらしを支えるリーディングバンク」として課題解決に貢献していく、と説明。「引き続き当金庫は、投融資を通じて環境・社会課題の解決に貢献し、SDGsの実現をはじめとするサステナブル経営を推進していく」としている。

「F&A(Food and Agri)成長産業化出資枠」
農林中金が2016年5月、「農林水産業の成長産業化」への貢献の一環として、農林水産業の高付加価値化・生産性向上のため、系統団体および国内外との企業との協働およびそれを支えるリスクマネーの供給を目的に設定した。

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