バイエルクロップサイエンス㈱は19日、農家への精密農業に向けた同社のサービス展開など、今後の事業戦略を説明するプレスセミナーをオンライン開催した。ハーラルト・プリンツ代表取締役社長、仁木理人執行役員カスタマーマーケティング本部長が、デジタル農業に向けた取り組みを強化する方針を強調した。
バイエルクロップサイエンス㈱は2018年11月、世界で農業の自動化や産業用無人機の開発を行うXAG社と日本国内市場におけるドローンを活用した共同事業開発の独占契約を締結。日本市場や生産者の要望に対するオーダーメイドのソリューション開発を目指し、①ドローンビジネスプロジェクト、②ドローン農薬散布技術の共同開発、③デジタル農業の共同開発およびデータの相互補完、の事業展開を行っている。
両氏は「我々はこれまでXAG社と協働して自動航行・自動走行散布に向けて取り組み、雑草・病害虫診断技術の導入と圃場情報の提供、環境測定と病害虫診断を行ってきた」と述べ、これまでの取り組みを振り返るとともに、「2021年から農家に対し精密農業に向けたサービスを開始する」と語った。具体的には、2021年にマッピング&センシング用ドローン「X Mission」と全自動無人地上型散布機「R150」を上市するほか、雑草・病害虫診断アプリの提供を開始して圃場管理・データに基づく提案型サービスを通じてデジタル農業に向けた取り組みを強化する。2023年には水田圃場の雑草の状況を記録して最適な水稲用除草剤の提案するサービスを開始する計画だ。
ボッシュからプランテクト事業を取得
同社は10月16日にボッシュ㈱との間でプランテクト事業を取得することで合意したが、今後はボッシュ社が提供しているサービスのスムーズな引継ぎ、バイエル特約店を通じた全国展開の加速、プランテクト使用農家への効率的な情報提供の構築、トマト、キュウリ、イチゴ以外の作物への本技術展開の検討を行う。