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NTTと農研機構が秘密計算技術による作物ビッグデータ活用の共同研究

2020年10月30日

安全・高度な作物データ利活用の活性化した世界を目指す

 日本電信電話㈱(澤田純社長、NTT)と農研機構(久間和生理事長)は、秘密計算技術(*)による作物ビッグデータ活用の共同研究を10月29日から開始することに合意した。

 農業分野の研究開発においては、作物データを用いた解析が必要不可欠とされ、この作物データは各組織や企業が保有しているものの、技術ノウハウの流出やデータの知財化への悪影響等の懸念から、組織間での積極的な共有による利活用が進んでいない状況にある。

 今回の共同研究は、複数の組織が保有する作物データに対する「秘密計算技術」を用いた解析により、農業研究開発の効率的実施に有益な情報が得られることを示すことを目標としたもの。共同研究の成果を踏まえ、広く農業分野で、異なる組織や企業間で独立して存在し、共有されていない未利用の作物データを相互利用できる枠組みの構築を目指す。NTTが保有する秘密計算技術やデータを安全に利活用するノウハウと、農研機構が保有する作物データとその分析手法を、それぞれが持ち寄る〔共同研究の役割分担は上表〕。これにより、独立して存在する作物データの提供から保管、高度な分析/解析までのプロセスにおいて秘密計算技術を適用し、常に暗号化したままで処理ができることの検証を行う。あわせて、複数の組織が保有するデータを利活用して解析精度の向上を図り、農業分野の研究開発の効率化につながるような価値あるデータ解析手法を開発する。農研機構が保有するデータを用いて、①対象物・品種全体の傾向の把握、②全体における対象データ間の比較や位置づけの把握、③過去のデータを用いた将来の予測、に取組む。
 両者では、「共同研究の成果を生かし、将来的には、農研機構が整備を進めている作物データおよび各組織が保有する作物データを用いて、世界最高水準の情報量を有する安全な作物ビックデータと、それを用いた価値・魅力ある解析が可能となる安全かつ高度なデータ利活用のための解析エンジンを実現し、新品種育成や、営農を支援する情報システム開発とそれによる情報発信など、作物データの利活用が活発になされている世界を目指す」とコメントしている。

*秘密計算技術…複数の組織がお互いのデータを安全に利活用する技術として、データを暗号化したまま処理できる。この技術を用いると計算対象の元データを誰も一切見ることなく、データの共有・保管・分析をすることが可能。NTTの秘密計算技術の処理速度は世界最高速とされる。

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