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JA全農たまごが持続可能性に配慮した「たまご」を発売

2020年10月21日

鶏卵で「特色JAS」認証国内第一号

サステナブルエッグ|JA全農たまご JA全農たまご㈱(小島勝社長)は、鶏卵では国内第一号となる「特色JAS」の認証を取得した商品「サステナブルエッグ」〔写真〕を11月上旬から販売する。

 「特色JAS」は、相当程度明確な特色のあるJAS規格を満たす製品などに付されるもの。日本産品・サービスのさらなる差別化・ブランド化に向け、消費者に高付加価値性やこだわり、優れた品質や技術などを分かりやすくアピールすることが期待されている。鶏卵における規格の要求事項として、「国産鶏種の利用」や「国産飼料米の利用(配合割合5%以上〔重量割合〕)」などの基準が設けられている。

JA全農たまご「サステナブルエッグ」|小松種鶏場 今回、鶏卵では国内第一号の「特色JAS」を、㈱小松種鶏場(写真、長野県松本市、小松伸好社長)と、生産者から入荷した新鮮な鶏卵を洗卵し、検卵・選別・包装・配送までを行う長野県農協直販㈱(長野県長野市、内田信一社長)が10月19日に取得。JA全農たまごが「サステナブルエッグ」の商品名で首都圏と関西を中心に販売する。

 同商品は、小松種鶏場が飼育する純国産鶏種「岡崎おうはん」と「あずさ」(共に家畜改良センター岡崎牧場が作出)の赤玉卵6個を、環境に配慮したモールドパックで包装して販売。鶏には国産飼料米を5%エサに配合、またアニマルウエルフェアの観点からストレスを軽減させるため、鶏舎の中で自由に動き回ることができる平飼いで飼育。循環型農業の一環として、鶏糞は近隣の野菜農家・果樹園等の肥料として使用する。当初は2千羽の体制で販売を開始し、順次拡大していく予定。今後、飼料の国産率を上げ、海外依存度を低くしていく計画。希望小売価格498円(税別)。

 JA全農たまごの牧野伸一経営企画部次長は、「先ずは国内の販売先の要望に応えることが優先。ゆくゆくは香港、台湾などにも(販路を)広げていけるような取り組みを進めたい」と、輸出に向けての意欲も語っている。

*JASマークは、しょうゆや木材などに表示され、広く知られているいわゆる丸JASマークと、「地鶏肉」や「熟成ハム」など、高付加価値やこだわりのある規格(特色のある規格)に対するマークに大きく分けられ、後者のマークは4種類あったが平成30年度施行された改正JAS法で、特色のある規格を制定できる対象が拡大したことを踏まえ、有機JASを除く3つのマークを新たなデザインで統一した。

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