農林中央金庫(奥和登代表理事理事長)は8日、農林中金イノベーションファンドを通じて、顧客企業に対し銀行機能を提供するドイツのsolarisBank AG(CEO=Roland Folz)に出資したと発表した。
「農林中金イノベーションファンド」は、デジタルイノベーションを通じた社会課題解決に取組むスタートアップ企業の支援とオープンイノベーション促進を目的とするコーポレートベンチャーキャピタルファンド。
出資先のsolarisBank(ソラリスバンク)社は、顧客企業に対して、API接続により銀行口座・クレジットカード・決済・KYC(Know Your Customer=顧客確認)・貸出といった銀行機能を提供するスタートアップ企業。2015年5月に設立され、ベルリン市に本社を置く。
欧州では、2018年に施行されたPSD2(欧州決済サービス指令)により、銀行のAPI接続が義務化され、非金融プレイヤーによる金融サービス提供が加速している状況にあるという。ソラリスバンク社の顧客は、銀行免許を有する同社とAPI接続をすることにより、銀行免許を持たなくても短期間で必要な銀行サービスを欧州で提供することが可能となる。
農林中金では、「今後とも農林中金イノベーションファンドを通じた国内外の先進的なFintech領域への出資を通じて、出資先企業への支援並びにJAグループの金融サービスの拡充・高度化を図っていく」とコメントしている。