日本農業の発展と農業経営の安定、農村・地域振興、安心・安全な食料の安定供給の視点にこだわった報道を追求します。

理事会・評議員会|IDACA

2020年6月2日

 一般財団法人アジア農業協同組合振興機関IDACA)はこのほど、理事会・評議員会(書面)を開催、令和2年度事業計画「研修機関から開発協力機関への脱皮を目指して」を決定した。

 IDACA事業改革の方向性として、①JAグループにメリットとなる事業展開~研修・開発事業の成果をJAグループ事業に橋渡し、②結果重視のアプローチによる開発協力事業につながる研修事業の展開、③内外の信頼の醸成、を掲げている。

 ①JAグループにメリットとなる事業展開では、「ODAは民間経済活動拡大の触媒」と位置付ける日本政府の基本方針を取り込み、▼農産物フードバリューチェーン構築(販路拡大、輸出、投資等)、インバウンド等の事業への支援、▼JA全中(全国農業協同組合中央会)とJICAの連携協定への参画、▼外国人技能実習制度への研修・開発事業と連携した支援の追求、等、JAグループ事業とのつながりが確保されるような展開を目指す。

 ②研修事業では、▼研修員が策定したプロジェクトの帰国後の着実な実施支援、▼JICA等の技術協力事業を活用したJAグループ組織・事業モデルの輸出、に取り組む、としている。

JICA等の技術協力事業を活用したJAグループ組織・事業モデルの輸出
【タイ】1979~81年の現地調査を経てプロジェクトを立ち上げ、日本の総合農協を念頭においた「トータル・システム」を導入。2000年代には全中の実施したプロジェクトの研修部分を担当。日本型の農協がタイに広がる。
【ルーマニア】2001~04年、2006~08年の二期に分けて職員を派遣し、ルーマニアの農協法策定を指導。旧社会主義国で初めて協同組合原則に則った農協法が成立し、民主的な農協を129組合設立。
【ミャンマー】2016~19年にIDACAミャンマー事務所を立ち上げ、日本の農機共同利用組合をモデルとして2組合設立。農家の生計向上に貢献(外務省日本NGO連携無償資金協力事業活用)。

令和2年度実施予定研修
1.農林水産省拠出事業
①国際協同組合同盟(ICA)からの受託研修
 ●リーダーシップとマネジメント向上のための農村女性エンパワメント研修
 ●農産物の品質向上と販路拡大によるマーケティング強化研修
 ●農民組織化推進と運営改善研修
②ASEAN事務局からの研修(全中受託、IDACA実施)
 ●GAP認証に関するワークショップ
 ●フードバリューチェーン構築のための農業協同組合機能強化セミナー
2.国際協力機構(JICA)からの受託研修
 ●農民組織の設立・強化研修
 ●農業政策研修(仮称)
 ●アフリカ地域小規模農家のためのアグリビジネス振興研修(仮称)
 ●稲作農家を対象とした収穫後処理技術向上研修(日系対象)
 ●日系農協および生産組織の生産管理・販売事業の高度化研修(日系対象)
 ●ビジネスを志向したモデル農協構築研修(ジョージア国対象)

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