雪印メグミルク㈱(西尾啓治社長)は13日、2020年3月期決算(連結)を発表した。
「グループ中期経営計画2019」の最終年度となった昨年度は、収益基盤の複数化およびキャッシュフローの最大化に取り組み、機能性ヨーグルトなどの高付加価値商品およびチーズなどの主力商品の販売拡大に伴うプロダクトミックスの改善、ニュートリション事業分野におけるマーケティング投資の継続による規模の拡大、ならびにグループ経営資源やバリューチェーンの最大活用によるグループ総合力の強化等に努めた結果、連結売上高は6134億円(前期比101・7%)、連結営業利益は179億円(前期比104・5%)、連結経常利益は196億円(前期比103・5%)、親会社株主に帰属する当期純利益は121億円(前期比113・1%)と増収増益となった。普通配当は1株当たり40円を実施する。
セグメント毎の売上高は乳製品2490億円(103・4%)、飲料・デザート2839億円(同101・5%)、飼料種苗437億円(同94・9%)、その他366億円(同100・2%)。
同日、WEB会議方式で実施された決算発表会見で西尾社長は「わが国経済は、緩やかな景気の回復が続いていたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、足もとでは大幅に下押しされており厳しい状況にある。食品業界においては、感染症が拡大する中で、生産拠点の人手を確保し、物流機能を維持することで、大幅な需要の変動に対処し、商品の安定供給に向けた取り組みを進める企業の動きが拡大している。また、外出自粛が広がり、飲食店の休業が急増することで業務用食材の需要が落ち込む一方、家庭での調理、喫食機会の増加、あるいは総菜などを持ち帰る中食機会の増加に伴う需要の高まりも生じている」との現状認識を示したうえで、「当社グループは今年度より2017年5月に発表した『グループ長期ビジョン2026』の第2ステージに入る。新たなステージを迎えるにあたり、今般『グループ中期経営計画2022』を策定した」「『4つの事業分野における収益基盤の確立』に向けて生産性改革の推進と事業構造改革の断行を進め、『Transformation(変革)の加速』を実現するために生産体制進化の本格始動に取り組むことを戦略の柱とする。併せて、SDGsを含めCSR重要課題として掲げた社会課題の解決に取り組むことにより、長期ビジョンに掲げた『ミルク未来創造企業』の実現を目指してまいりたい」と決意を述べた。