全農物流の「農産物輸送のパレット化による手荷役時間の削減」も
国交省はこのほど、幹線輸送・集荷配送の効率化等に向けた実証事業として、全農物流㈱の事業を含む6事業を選定した。
国民生活に不可欠な食品の流通については手荷役作業が多い等の課題があり取扱いを敬遠されるケースが出始めているため、合理化を促進する必要性が指摘されていた。このため、合理化による安定的な食品流通の確保を目的に、幹線輸送・集荷配送の効率化等の実証事業を公募(令和2年2月21~3月27日)していた。選定されたのは以下の6事業。
▼生鮮食品の長距離幹線スイッチ輸送の合理化(代表事業者名=エムスクエアラボ)、▼入荷検品レスの推進(加藤産業)、▼農産物輸送のパレット化による手荷役時間の削減(全農物流)、▼食品業界の一貫パレチゼーションの実現(トランコム)、▼連結トラックを活用した共同輸配送、パレット管理システムの構築(トランコム)、▼青果物少量多品目輸送の効率化(ヤマト運輸新潟主管支店)
全農物流の「農産物輸送のパレット化による手荷役時間の削減」の取組は、トラック積込が手荷役作業となっているためトラックドライバーの作業時間および作業負担ともに大きくなっている青果物輸送において、出荷施設でのレンタルパレット導入による機械荷役化に取り組むことにより、トラックドライバーの作業時間短縮と作業負担軽減を図るとともに、青果物輸送のイメージアップによる輸送力確保を図るもの。これにより、「パレット化によるドライバーの荷役作業時間削減」「乗り捨て方式による回収および紛失補填の削減」「帰り荷の選択肢拡大による輸送車両条件の緩和(=輸送力確保)」「青果物輸送イメージアップによる輸送参入業者の増加(=輸送力拡大)」の効果を想定している。今月に実証試験輸送計画を策定、6~7月に実証試験を実施(試験輸送6回予定)、8月に結果をとりまとめる予定。
なお、国交省では、同事業の成果の横展開等により、安定的な食品の物流の確保を図っていくとしている。