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日本含むWTOの23有志加盟国・地域が共同声明発出

2020年4月24日

新型コロナに伴う農産物貿易制限措置について各国に呼びかけ

 日本を含むWTO(世界貿易機関)の23の有志加盟国・地域は22日、新型コロナウイルス感染症に伴い農産物に対する貿易制限措置をとらないよう各国に呼びかける共同声明を発出した。世界の農産物・食品の輸出の63%、輸入の55%を占める国・地域が、「食料安全保障のため農産物及び資材の流通確保」や「農産物への輸出規制の不可、農産物及び資材への不当な貿易障壁の回避」などを呼びかけた。

 共同声明では、要旨以下の8項目のコミットをあげた。

 ▼農産物及び農業資材の流通は食料不足の回避及び世界の食料安全保障の確保に有益な役割を果たすが、国際市場がそれらの流通を支える点で機能し続けるよう、サプライチェーンを制限せず繋がりを確保すること、▼国際貿易における混乱や歪曲を避けるため、通常は輸出されている農産物について国内在庫の確立を行わないこと、▼農産物への輸出規制を行わないこと、また、農産物・食品及び重要な農業生産資材への不当な貿易障壁を設けないこと、▼新コロナウイルス感染症に対処するための緊急措置は、対象を絞り、目的に照らし相応かつ透明性があり、一時的なものとすること、また、貿易に対する不必要な障壁や、世界の農産物・食品のサプライチェーンへの混乱を生じさせないこと。いかなる措置もWTOのルールに整合していなければならない、▼透明性と予見可能性を確保するため、新型コロナウイルス感染症対策として実行する貿易関連措置のうち農産物・食品に影響を与えるものについては、必要に応じて WTO協定に従って科学的根拠を提供することも含め、迅速に WTOへ通知すること。加盟国は、新しい措置を検討する機会が与えられるべきである、▼既存の国際的な仕組みを含め、食料の生産、消費及び在庫の水準、価格に関する最新で正確な情報が広く利用できる状況を確保すること、▼新型コロナウイルス感染症が世界の農産物・食品の貿易及び生産に与える影響を分析することにおいて、WTO及び他の国際機関の取組を支持すること、▼WTOなど多国間での不当な輸出規制を制限するための調整を含め、新型コロナウイルス感染症の地域又は世界的なパンデミックへの準備及び対応を向上させるための対話を行うこと。

【共同声明に参加した有志加盟国・地域】 オーストラリア、ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、コスタリカ、欧州連合(EU)、香港(中国)、日本、韓国、マラウイ、メキシコ、ニュージーランド、パラグアイ、ペルー、カタール、シンガポール、スイス、台湾、ウクライナ、英国、米国、ウルグアイ

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