21日にはG20農業大臣による臨時テレビ会議を開催
江藤農相は17日の定例会見で、新型コロナウイルス感染症における緊急事態宣言の対象が全国に拡大したことについて触れ、「食料の安定供給など物流に全力を尽くす」ことを強調した。また、21日にG20農業大臣臨時会合のテレビ会議を行うことを報告するとともに、新型コロナの影響による外国人技能実習生の不足について、法務省が実習生の業種移行をフレキシブルに行う方針であることを説明、「農水省としてもしっかり連携を取らせていただく」と語った。
農相は新型コロナに関わって要旨以下のように述べた。
●…16日、第29回政府新型コロナウイルス感染症対策本部が開催され、新型インフルエンザ等特別措置法に基づく緊急事態宣言の対象を全国に拡大することが決定された。このため、農水省としては同日、直ちに全都道府県に現地対策本部を設置した。これまでと同じく、国民への食料の安定供給に全力を尽くしていくので、心配しないようにお願いしたい。また、農林水産業、食品関連産業者には、自身の健康に十分に留意してもらった上で、事業継続をしてもらうように重ねてお願いしたい。政府一丸となって感染拡大防止を図りつつ、国民生活に不便や不安が生じることがないよう、全力を尽くしていきたい。
●…(緊急事態宣言の拡大により)国民、消費者に対して、食料・食品の供給が滞るということはまず想定されていない。しかし、生産現場では、例えば牛の仔の競りなどにおいて、全国的に緊急事態宣言が出された状況下で今までどおり購買者が内見してもらえるのかを考えると、少なからず影響があることは容易に想像される。牛の仔の値段もついに65万円を切るという状況まで下がってきた。発生前80万円台だから、隔世の感の値下がりの状態だ。alic事業を使って需要喚起、倉庫を空けるための事業を行うが、新しいステージに入ったということで、この事業についても、もう一踏み込み考える必要があるかもしれない。緊急事態宣言が全国規模となったことが、生産には大きな影響はないにしても、物流、仲買、卸の段階で、どのような影響が出るのかは極めて注意深く見ておかないといけない。とにかく、物が滞留しないということが生産者、消費者にとっても一番大切だから、そのことに全力を尽くしていきたい。