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全国指導農業士連絡協議会が河野政務官に意見書提出

2020年2月3日

全国指導農業士連絡協議会が河野政務官に意見書提出


 全国指導農業士連絡協議会の坪倉勝幸会長は1月29日農水省を訪れ、河野義博農林水産大臣政務官に、▼農業次世代人材投資事業(準備型・経営開始型)、▼新規就農時のトータル支援、▼農地基盤の整備、等について盛り込んだ「農政に関する意見・要望書」を提出した。

 全国指導農業士連絡協議会は、指導農業士の全国組織。「優れた農業経営を行いつつ、新規就農者等の育成に指導的役割を果たしている」農業者が、各道府県の知事から指導農業士に認定されている。今回は、活動や自らの営農の中で気づいた農政課題等を、会員の総意で取りまとめ提出した。内容は以下のとおり。

農政に関する意見・要望書
①農業次世代人材投資事業(準備型)について
 農業次世代人材投資事業(準備型)の資金交付要件が、農業大学校など公的な農業経営者育成機関等で研修を受ける場合に限定され、指導農業士農家や農業法人等での研修は農の雇用事業の対象とされ農業次世代人材投資事業(準備型)の資金が交付されなくなった。これにより、特に独立・自営就農を目指す研修生は、地域に根差した研修を受けられなくなる可能性がある。また、農の雇用事業を活用した研修を受ける場合、雇用させることが必要であり、研修先の労働者となることにより独立、自営就農のための充実した研修が受けられない可能性が高まる。一方、受入れ農家にとっては、農の雇用事業による雇用契約を結ぶことにより給与や労務管理など新たに負担が増えるとともに、各種保険料負担も発生するなど経営上の負担があることが課題である。従来のように、指導農業士農家や農業法人等での研修についても農業次世代人材投資事業(準備型)の資金の交付対象にされたい。
②農業次世代人材投資事業(経営開始型)について
 農業次世代人材投資事業(経営開始型)は、新規就農者の経営確立期の支援として有効であるが、予算の制限により十分な支援ができない状況にある。財源を確保して支援対象者に交付できるように予算措置を願いたい。また、親元就農は離農率が低く、経営拡大のスピードも速いなど農業生産や地域の担い手として有望である。小規模または兼業農家の子弟などがUターン就農し、自立経営を行う場合など親元就農者に対する支援の充実を望む。
③新規就農時のトータル支援について
 農業次世代人材投資事業(経営開始型)の資金交付対象者を「経営・技術」「営農資金」「農地」のサポートする体制がとられているが、一層の充実とともにさらに地域への溶け込みや生活面でのサポートも必要と感じる。また、新規就農の時点で、農地や空き家、中古農機等の情報が一元的に紹介できる体制整備と情報発信ができるシステムを望む。
④指導農業士の認知度向上について
 新規就農者をはじめとする青年農業者、次代の担い手の確保・育成および「人・農地プラン」実質化に係るコーディネーターなど活動の場は拡大しつつあるが、指導農業士は農業者、地域の中で認知度が低い状況にある。指導農業士の役割や地位を明確にするとともに農業を志す者や新規就農者の農業技術、経営、農村生活などの支援に幅広い知見を持つ指導農業士について国民に広報するとともに新規就農関連サイトに載せるなど認知度を高めるよう対策を講じていただきたい。また、新規就農者の育成等の役割を担っている指導農業士の活動に対して、活動を支援するための予算措置を望む。
⑤農地基盤の整備について
 農地は農業経営の上で重要な要素であるが、中山間地域や都市近郊では狭小なほ場が多い上に湿田など汎用農地になっていないところが多い。農地の有効活用や多様な品目の生産、担い手への農地集積、スマート農業導入の障害になっている。規模要件の緩和や受益者負担の軽減、地域に合わせた工法の採用などを含め、基盤整備(土地改良事業)の推進を望む。あわせて相続未登録農地、不作付け農地を含む農地の有効活用について制度の充実を願いたい。
⑥農地・農業施設の減災・防災および災害復旧について
 令和元年も度重なる台風の襲来があったが、近年大型台風や集中豪雨、地震、豪雪などの自然災害により大規模な被害が発生している。農業の場面においても生産物の損失、農地およびビニールハウスなどの農業施設や用水路、農道などに甚大な被害が発生している。今後も想定される自然災害による被害を最小限にする防災対策を講じていただくとともに、災害からの復旧支援および営農再開と農道等のインフラ再建に繋がる支援施策の充実を望む。

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