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JA全農が「ゆめファーム全農SAGA」の開所式

2020年1月30日

JA全農が「ゆめファーム全農SAGA」の開所式


 JA全農は24日、1ha規模の大規模ハウスでキュウリの多収栽培を実証する「ゆめファーム全農SAGA」の開所式を佐賀市内で行った。全農が自ら園芸施設を運営し、技術や経営の実証と人材育成に取り組む「ゆめファーム全農」プロジェクトの一環で、栃木のトマト、高知のナスに続く3か所目の施設。面積1haのハウスを土耕栽培区と養液栽培区に分け、それぞれ反収45t、50tをめざす。

 地元の佐賀市、佐賀県農業協同組合(JAさが)と包括連携協定を結び、資源循環型農業、得られた技術の普及・拡大、担い手・指導人材の育成、雇用創出・地域活性化にも取り組む。

 開所式には全農の野口栄専務、JAさがの中村直己副組合長、佐賀市の秀島敏行市長など関係者40名が参加した。挨拶した野口専務は、「本施設はキュウリでは国内初の大規模ハウスになる。地元慣行の土耕栽培とハイワイヤーの養液栽培の実証を行い、管内生産者の坂田様の協力を得て国内最高水準の反収をめざす」「隣接する佐賀市清掃工場から排熱蒸気と炭酸ガスの供給を受け、資源循環型農業にも取り組み、最適な施設・設備と安定多収栽培の標準化を進めて、成果を全国の生産者の皆さんにご提案し、農家所得の向上を支援したい」と述べた。

 「ゆめファーム全農SAGA」の施設は、間口8m×奥行84m×14連棟で、軒高は5m。作物上部の空間が大きく栽培環境を制御しやすいことが特徴。保温と遮光の2層カーテン、温・湿度調節のための細霧冷房装置などを装備し、室内外のセンサーにより環境制御機器を統合制御する。JA全農とJAさがの職員が各区の栽培管理を担当し、パート27名が作業を行う。

 JAさがの大隈博義常務は「この施設は、全農・行政・JAの三位一体でできた。農業を盛り上げる取り組みを行い、それぞれ組織の中では技術を積み上げていく。JAさがは職員を配置して、より深いキュウリの知識を持った専門家に育て、営農指導のレベルを高め、佐賀のキュウリ経営の底上げをしたい」と抱負を語った。

 秀島市長は「全国で3つ目の施設を佐賀に作っていただき感謝申し上げる。佐賀市はバイオマス産業都市として、循環型社会、低炭素社会をめざしている。模範的な施設として高い実績になるよう期待する」と話した。

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