農林中金東大寄付研究「木材利用システム学」成果報告も
木材関連産業界と学界が協働し木材利用拡大を目的に創設されたウッドソリューション・ネットワーク(関本暁会長=住友林業㈱資源環境本部長、WSN)は一〇月三〇日、東大・中島記念ホールで通常総会を開催、全体活動から「構造材」「内装材」「相互理解」の三分科会の活動について報告したほか、第三期となる今期(三〇年一〇月~三一年九月)の活動計画について承認した。開会にあたり、事務局を務める農林中央金庫の岩曽聡常務執行役員が挨拶、「WSNは二〇一六年一〇月に設立、三年間の取り組みとして開始しているが、会員等の意見を踏まえ少なくとももう一期は継続したいと考えている。二〇二〇年東京オリ・パラでの森のスタジアムの建設など木材利用の追い風が吹いているなか、木材利用の促進に向けて従来から取り組んでいる川下側の課題の深堀に加え、川中・川上側のテーマについても取り組みの幅を広げる方が議論が活発になると思っている。今後一年かけて来期以降の方向性を議論させていただきたい」等と語った。来賓には、林野庁林政部の長野麻子木材利用課長が出席し挨拶した。
また総会に合わせ、井上雅文東京大学アジア生物資源環境研究センター教授が、農林中金の寄付によりに創設された新たな研究領域「木材利用システム学」の研究成果の概要について報告した。
WSNでは、内装デザインを施主に提案するデザイナー、プランナー等のクリエイターに向けて木材を使った内装提案に取り組んでもらうための冊子「MOKU LOVE DESIGN~木質空間デザイン・アプローチブック」を制作・完成(既報)させたほか、今後、中大規模木造普及に向けた「構造材アプローチブック」を制作していく。また木材供給サイドの現場視察や需要サイドの要望事項の共有化など会員企業によるバリューチェーン全体にかかる理解を深めていくとしている。