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日本養豚協会が総会開き、19年度事業計画等を承認

2019年6月14日

日本養豚協会が通常総会開催。会場から提案された「豚コレラに対する緊急動議」に対し、要請状況等を説明する香川会長


東海5県が経営再開へ豚コレラに対する緊急動議

 (一社)日本養豚協会(=JPPA、香川雅彦会長)は11日、都内で通常総会を開催、2019年度の事業計画等4議案を承認した。また、拡大している豚コレラの発生に対し東海5県の会員から「現在、豚コレラで殺処分を受けた生産者の経営再開の道筋が見えず、イノシシでも、豚コレラの感染が拡大し続けている。このままでは生活にも事欠く状況になる」として「経営再開の目処が立つような国の施策を早急に求める」旨を要望する緊急動議を提案。岐阜・愛知両県の養豚農家が切実な状況を訴えた。
 19年度の事業計画では、TPP11、日EU・EPAの発効や豚コレラの発生に対し、輸入豚肉との競争や衛生対策の徹底等国内養豚農業の存続に必要な様々な活動費を拠出するため、養豚チェックオフ制度の法制化実現に向けた活動を行うとともに国内養豚の強化を図るため、養豚経営の安定と生産力の向上などの基本事業を実行する。豚コレラに関わる衛生対策に関する事業では、豚コレラの拡大防止と撲滅対策を徹底するとともに、近隣諸国で発生している口蹄疫やアフリカ豚コレラ等が国内に侵入しないよう国及び日本養豚開業獣医師協会などとJPPA等が連携して、水際での侵入防止の徹底を図るとともに、国内養豚場などの衛生レベルの向上をはかり、様々な伝染病に対し徹底した防疫対策を行うことなどを盛り込んでいる。
 会場では、静岡県の会員が岐阜・愛知・三重・長野・静岡の5県で緊急検討会を行ったことなどを説明、「(検討会は)豚を守りたい、仲間を守りたい、そして豚コレラを撲滅したいという思いを、共通の思いとして開催した。ぜひとも、JPPAの総会で我々東海地方の願いを後押ししていただきたい」と語った。殺処分を受けた岐阜・愛知両県の養豚農家は「イノシシの感染が拡大し続けている状態で、経営再開が遅れることによる地域住民との軋轢で経営再開が困難になってきているのが現状だ。全国の皆さん、岐阜と愛知の発生農家にどうか寄り添ってほしい」「私は何よりも豚が大好きなため、今回の殺処分は本当に人生で一番つらい事件となった。今も豚コレラの終息がつかず豚が殺処分されていくと思うと、本当につらい気持ちになる。養豚団地のみんなと再起に向けていろいろ取り組んでいる。一刻も早く安心して再開したい。なんとかしてほしい」と訴えた。
 香川会長はJPPAの政府への要請状況を説明しながら「早急に国に対し文書を作成し提出する」と語った。
 総会には来賓として枝元真徹生産局長が出席し、最近の養豚を巡る状況を語った。豚コレラについては、「昨年9月の発生以来、9か月が経過しているが6月5日には25例目(12日に26例目)が発生し、これまでに殺処分した頭数は10万頭という事態になっている。野生イノシシへの感染もあり、生産現場においては緊張が継続しており、養豚農家の方々のご心配は計り知れないものがあるのではないか」などと現状を説明、「これ以上発生を起こさないためには消毒の徹底と飼養衛生管理によって農場へのウイルス侵入を防除することに加えて、地域ぐるみで消毒を実施することにより発生リスクを下げる必要がある」と語った。このため、正確な情報と衛生管理の徹底の重要性をすべての生産者が共有することが重要だとして、JPPAに対し、会員への情報の発信等のさらなる協力を求めた。また、アフリカ豚コレラについては「水際対策が重要であり、検疫監視犬の増頭や検疫の強化等により国内侵入リスクの低減を図っているところだが、海外の状況を見れば一刻も油断ならない状況だ」と話し、「関係省庁一丸となって対応していく」と述べた。 総会ではまた、補欠役員の補選が行われ、空席だった常務理事に、櫻井保氏(前独立行政法人家畜改良センター十勝牧場長)を選任した。

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