日本農業の振興と農業経営の安定、安心・安全な食料の安定供給の視点にこだわった報道を追求します。

日本農民新聞 2019年5月16日号

2019年5月16日

このひとJA共済連 経営管理委員会会長 市村幸太郎 氏

JA共済事業の明日を拓く

 

JA共済連
経営管理委員会会長

市村幸太郎 氏

 

 

次世代・次々世代層への保障を強化
長く・広く・深くお役立ちするJA共済に

 

 JA共済連は5月16日に「平成30年度JA共済優績組合表彰」を開催し、平成30年度の普及推進で優秀な実績をあげたJAを表彰する。これに先立ち、JA共済連の市村幸太郎経営管理委員会会長に、これからのJA共済事業の展開に対する思いを聞いた。


 

推進総合全国目標8年連続で達成

平成30年度優績表彰受賞組合をはじめJA共済事業関係者へメッセージを。

 「令和」という新しい時代のはじまりの年に、JA共済大賞をはじめとする優績組合表彰を受賞されるJA役職員の皆さまに心からお祝い申し上げます。
 「令和」という元号には、品位を感じる響きがあります。由来は、大宰府での“梅花の宴”が謳われた万葉集の序文からだそうですが、梅の香のような優しく明るい雰囲気が日本全土に広がることを願っています。
 さて、JA共済を取り巻く環境は一段と厳しさを増していますが、受賞組合はじめ全国のJA役職員の皆さまのご尽力のおかげで、平成30年度の普及推進は、8年連続で推進総合目標の全国目標達成という輝かしい成績を収めることができました。
 JAグループが「創造的自己改革」を実践しているなかで、受賞組合はもちろん全国611組合がJA運営における共済事業の重要性を改めて認識し、懸命に推進に取り組んだ成果だと感謝申し上げます。皆さまの日々のたゆまぬ努力、そして組合員・利用者との間で長年にわたり築き上げられた信頼の賜物であります。心より敬意を表します。
 これを機に、組合員・地域住民の皆さまに対して、JAやJA共済事業の存在価値を今後より一層高めていただくことを期待いたします。

 

「ひと保障」中心に保障性仕組み強化

平成30年度の普及推進を振り返って。

 平成30年度は、(1)事業基盤の維持・拡大に向けた、世帯内深耕と次世代層との接点強化、(2)『ひと・いえ・くるまの総合保障』の提供に向けた、エリア戦略の実践ならびにひと保障を中心とした保障性仕組みへの取組みの強化、(3)平成30年4月実施の仕組改訂を契機とした保障拡充および満期契約にかかる保障の継続性の確保と次世代層への資産継承、の3つを普及活動方針に定め、各種施策に取り組んできました。
 これにより、新仕組みである生活障害共済を起点とした「ひと保障」の取組強化や、建物更生共済「むてきプラス」への保障見直しがすすめられるとともに、既加入世帯全戸への「3Q訪問活動」、「あんしんチェック」を中心とした幅広い世代への推進活動を根気強く展開したことが、8年連続での推進総合目標の全国目標達成に結びついたと考えています。

 

JAの事務負荷軽減を着実に支援

JA共済の直面する課題とJAグループ自己改革への対応については?

 JA共済事業をめぐる環境の変化が激しいなかで、これに柔軟に対応できる体制を早急に構築していかなければなりません。JAでの効率的な事業運営への支援や国内外の経済環境が厳しいなかでの資産運用、そして「働き方改革」に応じた渉外担当者をはじめとした職員の労務管理に、より一層注力していかなければなりません。特に労務管理は、担当者の行動管理を徹底したうえで実績管理をする職場風土づくりが重要になってくると考えます。
 これを踏まえて、JA共済事業として自己改革に向けた取り組みを次のように展開しています。
 「農業者の所得増大」に向けては、農業リスクの「見える」化へ、タブレット端末等を活用した農業リスク診断活動を展開するとともに、個人農業者や担い手経営体への保障提供に取り組んでいます。今後も農業経営の安定化に向け取組みを強化していくとともに、今次3か年から新たに農業者の安全確保へ農作業事故の未然防止活動を展開しています。
 「地域の活性化」では、平成28年度に地域・農業活性化積立金を創設し、県ごとのニーズ応じた地域活性化や農業経営に貢献する取組みに活用されています。この積立金を引き続き活用し、農業関連施策を含め地域の活性化への取り組みを強化していきます。
 JAの事務負荷軽減に向けては、平成28年4月の生命共済へのペーパーレス・キャッシュレス手続きの導入を皮切りに、段階的に対象範囲の拡大に取り組んでおり、さらに取組みを強化していきます。また、JA・連合会の自動車損害調査の業務分担の見直しは、JAとの協議を踏まえた移行計画に基づき、令和3(2021)年度末までに全県での体制移行完了を目指して取り組みます。
 JA支援機能の強化では、平成27年10月に生命査定、平成28年10月に引受審査の機能を全国8ヵ所の業務センターに集約し、JAサポート部門に配置可能な要員の確保に取り組みました。今後も、JAの状況に応じた支援機能強化、業務効率化等に取り組んでいきます。
 創造的自己改革は、農業協同組合が存立する限り挑戦していかなければならないテーマです。協同組合は運動体であり事業体でもあります。安定経営確立にはたゆまぬ改革が必要です。基本は維持しつつも時代に即した変化を取り入れていく『不易流行』には、観察力と現場力が欠かせません。
 共済事業は、各連合会と一体となり、JAを支えていかなければなりません。JAと連合会の役割分担の見直しをはじめとするJAの事務負荷軽減の取り組みを着実に実践するとともに、地域の活性化や農業経営に貢献する取組みをさらに強化していきます。

 

地域特性に応じた推進計画実践へ

今年度の目標達成に向けてJAの取組みへの期待を。

 今年度からのJA共済3か年における普及活動計画では、「地域特性に応じた推進計画の策定・活動の実践と『ひと保障新規』を中心とした次世代・次々世代層への保障提供を強化することで、『人生100年 3世代』に長く・広く・深くお役立ちするJA共済を実現する。」ことを「基本的考え方」に掲げています。
 この実現に向け、3か年計画の初年度である今年度は、「Start Up」を掲げ、JAと連合会が一体となって環境整備や土台作りを意識しながら、新しい施策等に積極的に取り組んでいきます。
 社会・経済情勢の変化とともに、JA共済へのニーズも大きく変わっていくでしょう。3か年計画以上に長期的に将来を見据え、共済事業の役割をよく見定めていかなければなりません。我々は、いかなる事業環境下にあっても、最良の保障とサービスを提供するとともに、永続的に共済責任を全うする使命があります。
 仕事のやりがいは、自らが組合員・利用者にいかに貢献できるのかを考える姿勢から生まれます。組合員・利用者の笑顔を思い浮かべながら、どんな小さな業務にも丁寧に取り組み、つねに挑戦する姿勢をもって日々の推進活動に邁進していただくことを願っています。


〈本号の主な内容〉

■このひと
 JA共済事業の明日を拓く
 JA共済連 経営管理委員会会長 市村幸太郎 氏

■平成30年度JA共済優績組合表彰式
 JA共済大賞に輝く3組合
 JA兵庫西/JAならけん/JA広島市

■JA全農新3か年計画と2019年度事業のポイント
〇輸出事業
 JA全農輸出対策部 住吉弘匡 部長
〇園芸事業
 JA全農園芸部 金子千久 部長
〇麦類農産事業
 JA全農麦類農産部 鈴木章宏 部長

■JA全厚連 新3か年計画の方向と2019年度事業のポイント
 JA全厚連 理事兼参事 榛葉道尚 氏

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