国連食料サミットのプレサミット(閣僚級の準備会合)に出席するため、イタリア共和国(ローマ)を訪れている野上農相は27日、2030アジェンダ達成(SDGs)と持続可能な食料システムの未来に力強く貢献するとした閣僚声明を発表した。
国連食料システムサミットは、持続可能な開発目標(SDGs)達成のためには持続可能な食料システムへの転換が必要不可欠であるとして、グテーレス国連事務総長の提唱により開催されるサミット。今回のプレサミットに続き、9月にニューヨークで首脳級のサミットが開催される予定。
閣僚声明で野上農相は「みどりの食料システム戦略」を策定したことなどを紹介。今後の食料システム変革において、日本が重視する点として、①未来への変革をもたらす鍵はイノベーションにあることから「イノベーションの重要性」、②「バランスの取れた食生活及び食文化の重要性」、③アジア地域の農業から排出される温室効果ガスは、世界の農業からの排出の4割以上を占めており、これらの課題には、アジア地域に適した解決策が必要であるとして「食料システムの変革には、万能の解決策はないこと」、の3点を強調。特に③については、「各地域、各国がその置かれた自然やその他の条件のもとで、最適解を見つけることが何より重要」であり、19日に、東南アジア各国の農業大臣と議論し、文書にまとめたことを説明した。そして「食料システムの変革に向けては〝No One-Size-Fits-All〟」「イノベーションの強化が重要」であることを、議論に参加したアジア各国を代表して強く表明した。さらに、これまでの議論のフォローアップとして、日本で今年12月7・8の両日に開催予定の東京栄養サミットの準備をしていることを示しながら、「これまで重ねてきた対話や、各国との協調、こうした経験に基づいて、引き続き世界の諸課題に対処し、2030アジェンダの達成と、持続可能な食料システムの未来に力強く貢献していく。アプローチは違えど、我々の目的は同じだ」と訴えた。