野上浩太郎農相とフランスのドゥノルマンディー農業・食料大臣は26日、バランスの取れた食生活及び食文化を重視することなどを内容とする文書に合意した。農水省によれば、アグネス・カリバタ国連事務総長特使に仏国政府から提出、国連食料システムサミットのプレサミット(7月26~28日開催)の場で両大臣から世界に向け発信される予定。
プレサミットでは、食料システムの持続可能性に向けた様々な解決策が提案されており、この議論の中で、日仏両国は、食料システムの持続可能性向上の達成に向けて、食生活に目を向ける必要があるとの立場を共有してきた。特に、バランスの取れた食生活の重要性、また各国や地域の食文化への関心を高めることが重要である点については、ユネスコ無形文化遺産に登録された食文化を持つ日仏両国共通の視点であるという。今回、プレサミットの機会に両国から、この視点を幅広く世界に向けて呼びかけようと、両国大臣が共同文書に合意した。
共同文書では、▼食料システムの持続可能性のためには、持続可能な方法で生産され、安全で栄養価の高い多種多様な食品を元としたバランスの取れた食生活を推進することが重要であること、▼バランスの取れた食生活の推進は、伝統的な各地域の知識や、エビデンスと科学に基づくべきであり、各地域の食文化に最大限の注意を払うべきであること、▼日仏それぞれの食生活ガイドラインや食育の経験を共有することで、世界の食料システムの持続可能性に貢献可能であること、が盛り込まれた。
野上農水大臣とドゥノルマンディー農業・食料大臣は以下のようにコメントしている。
▼野上農林水産大臣…今般、ドゥノルマンディー大臣とともに、バランスの取れた食生活の重要性、食文化の重要性を呼びかける文書を発出できたことを極めて喜ばしく思う。我々の主張を、国連食料システムサミットのプレサミットの機会に、世界に届けていく。
▼ドゥノルマンディー農業・食料大臣…野上大臣との共同声明では、安全で栄養価の高い食品の多様性に基づくバランスのとれた食生活の重要性と、食における文化的根拠への配慮の必要性が強調されている。日本とフランスは、持続可能な食料システムを確保するためにはバランスのとれた食生活が不可欠であるという見解を共有しているため、日本と共にこの文書を発出できたことは、私にとって大きな満足感がある。