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養鶏・鶏卵行政の改善策を取りまとめ・公表=農水省

2021年6月16日

 農水省は、「養鶏・鶏卵行政に関する検証委員会」の報告書における提言を踏まえた改善策を取りまとめ15日、公表した。

 検証委員会報告書では、養鶏・鶏卵行政は、「政」「官」「業」の距離が近く政治や生産者からの働きかけを受けやすい構造にあること等から、今回の事案に関する政策決定の公正性が損なわれていなかったとしても、行政に関する国民からの信頼を十分に得ていくことは難しいと指摘。このため、行政の透明性を向上させ、また、幅広い視点から政策を検討するために、▼OIE連絡協議会のメンバー構成や議事運営の見直し、▼国会議員等の仲介を受けた事業者から日本政策金融公庫の融資に関する要望を受けた場合にとった対応の記録・保存、▼幹部職員を対象に、利害関係者との会食について金額に関わらず届出をさせるとともに、政務三役と利害関係者が同席する会食の概要の届出をさせる省独自ルールを新たに設ける、等の改善策を講じることとした。

 農水省では、これらの改善策を確実に実行し、二度と国民から疑念を持たれる事態が生ずることのないよう、常に国民からの厳しい視線を意識しつつ、公正で透明性のある農林水産行政の遂行に取り組んでいく、とコメントしている。

主要な改善策
【OIE連絡協議会】
▼メンバー構成を川中、川下、消費者、環境分野も含めたより多様なものとする、▼関係団体からの推薦を受けてメンバーを選定する際は、推薦理由を確認できる文書(推薦状)の提出を求める、▼議事運営について、現状の事務局による進行ではなく、互選等により進行役を置いて議事を進行する方式とする、など。

【アニマルウェルフェア】
▼アニマルウェルフェアに関する最新の科学的知見や国際的動向を考慮した施策を推進するため、国内外の研究成果や取組み等の調査等を恒常的に実施する、▼上記により把握した情報を共有し、アニマルウェルフェアに対する相互理解を深めるため、幅広い関係者による意見交換の場を定期的に開催する。

【日本政策金融公庫の融資】
▼個別事業者(業界団体を含む)から、国会議員(元国会議員を含む)又は農水省の退職者の仲介を受けて、日本政策金融公庫の融資に関する要望を受け、又は日本政策金融公庫の担当者の紹介を依頼された場合には、農水省がとった対応を記録し、行政文書として保存する。

【鶏卵生産者経営安定対策事業】
▼本事業が発動する基準となる価格について、今後、食料・農業・農村政策審議会畜産部会に諮問し、意見を聴いた上で決定する、▼事業の見直しに当たっては、生産者、関係事業者に加えて、事業と利害関係のない有識者もメンバーとする検討会を設置し、多角的な議論を行う、▼規模別の契約者数・契約数量・補助金交付総額を新たに公表する。

【利害関係者との会食】
▼政策形成上重要な役割を果たしている省幹部職員(室長以上)を対象に、飲食の届出に関して、利害関係者との飲食は金額に関わらず全て届け出る等の省独自ルールを新たに設ける、▼職員が利害関係者と飲食を共にする場合には、自己が負担した費用を証明する書類を入手・保存するよう徹底、など。

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